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日米豪印4か国 初のクアッド首脳会合

2021年9月25日 6:33

アメリカ、日本、オーストラリア、インドの4か国の首脳が一堂に集う初めてのクアッド首脳会合が、アメリカの首都ワシントンで開かれました。ホワイトハウス前から中継です。

クアッド首脳会合は、中国との競争を掲げるアメリカの強い意向で実現しました。会合冒頭、4人の首脳はそろって「民主主義」の重要性を強調しました。

バイデン大統領「この民主的パートナーのグループは、世界観を共有し、未来に向けた共通のビジョンを持っている」

菅首相「日米豪印会合は基本的価値を共有する4か国がインド太平洋地域に法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を実現するために協力する極めて重要な取り組みです」

さらにオーストラリアのモリソン首相は、「威圧」や「国家主権の尊重」などの表現を使いながら、南シナ海などでの中国の海洋進出を強くけん制しました。

オーストラリア・モリソン首相「私たちは常に威圧されることなく、すべての国家主権が尊重され、紛争が国際法に基づき、平和的に解決されることを願う」

インドのモディ首相は、「歴史的な会談だ」とした上で、「クアッドでの協力が、インド太平洋、そして世界の繁栄と平和をもたらすと確信している」と訴えました。

会合では、ワクチン供給など新型コロナ対策、気候変動、先端技術やインフラ投資などでの4か国の連携を確認。成果を共同声明に取りまとめます。

一方、会合前、4人の首脳は、ホワイトハウスのバルコニーで、記念撮影を行いました。バイデン大統領は4か国で唯一「対中国の温度感が異なる」とされるインドに配慮してか、モディ首相の立ち位置や会場での座席、発言の順番など優先する姿勢を徹底しました。

アメリカは今月、オーストラリア・イギリスと、3か国の新たな安全保障協力の枠組み「オーカス」も立ち上げました。ただ、アメリカ政府高官はクアッドについて、「まったく別の取り組みだ」「軍事同盟ではない」と強調しています。

一方、日本政府の関係者は、「ホワイトハウスにインド太平洋の4首脳が集まることこそ、中国へのけん制につながる」と今回の会合の意義を語っています。