ウクライナ キーウ州全域“解放” 奪還した街に戦闘の爪痕
ウクライナの国防次官は2日、首都を含むキーウ州全域をロシア軍から「解放した」と明らかにしました。ウクライナが奪還した街には激しい戦闘の爪痕が見られ、民間人と見られる遺体が残されていました。
(※映像の一部には遺体が映っており、モザイクをかけています)
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ウクライナの国旗を掲げ戦車でキーウ近郊に入る兵士たち。ウクライナの国防次官は、2日、キーウ州全域をロシア軍から「解放した」とSNSを通じて表明しました。
ジャーナリストの佐藤和孝さんは解放された町の1つ、イルピンへ。
佐藤和孝さん「やられている。砲撃でしょう」
砲撃の跡は、住宅地から公園まで、町の至るところに。イルピンでは、ロシア軍の侵入を防ぐため、ウクライナ軍が橋を爆破。多くの人が歩いて脱出しました。
この日訪ねると、爆破された橋の手前には、逃げてきた住民が乗り捨てたとみられる車の列がそのまま残されていました。
ロシア軍が去った空港では――
パイロット「ここにコックピットがあった。何も残っていない」
数か月前まで空を飛んでいたという飛行機も、原型をとどめていません。
激戦地となったブチャでは、通りのあちこちに民間人と見られる遺体が残されたままになっていました。この映像では、道路に横たわる3人の遺体が確認できます。
住民「(ロシア軍は)ひどいやつらだ。私の後ろで戦車が撃ってきた。私たちは2週間、地下室で過ごした。食料はあったが、電気もガスも何もなかった」
ブチャの市長は、住民300人以上が殺害されたとしています。
こうしたなか、停戦協議をめぐってウクライナメディアは2日、代表団関係者の話としてロシア側がクリミアの問題をのぞくウクライナの提案をすべて認め、「首脳会談ができる十分な状態だと確認した」と報じました。
しかし、3日、ロシア代表団のトップはSNSを通じて「ドンバスとクリミアに関する立場は変わっていない」と反論しました。そのうえで「合意案は十分ではない」と強調し「首脳会談に関する楽観的な見方は共有していない」と述べました。
ウクライナ南部のオデーサでは3日、大きな爆発とともに黒煙が立ち上りました。ロシア国防省は先ほど、オデーサにある燃料貯蔵施設など4か所をミサイルで攻撃したと発表しています。