韓国「国家情報院」 文在寅前政権の元トップ2人を刑事告発 北朝鮮関連の事件で“報告書削除”
韓国の情報機関「国家情報院」は、北朝鮮にからむ2つの事件に関連し、文在寅(ムン・ジェイン)前政権当時の2人のトップを刑事告発しました。
1つ目の事件は2020年9月、延坪(ヨンピョン)島沖で韓国政府の職員の男性が北朝鮮によって射殺されたものです。
韓国の国家情報院は6日、この調査での諜報関連の報告書などを無断に削除した疑いなどで当時のトップ朴智元(パク・チウォン)前院長を最高検察庁に刑事告発したと明らかにしました。
朴前院長は告発内容について「そのような事実はない」と否定しています。
事件をめぐって尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権はことし6月、男性が自ら北朝鮮に渡ろうとしていたとする文在寅前政権の判断を覆し、その根拠は見つけられないと発表していました。
また、国家情報院は2019年に韓国軍が拿捕した北朝鮮住民の送還をめぐる事件に関連して、調査を早期に打ち切った疑いで当時のトップ、徐薫(ソ・フン)元院長も刑事告発しました。
政権交代後に、情報機関が文前政権当時に自らの組織のトップを務めた2人を刑事告発する異例の状況で、今後、検察当局がどのような判断を行うのかが焦点です。