“固い絆”をアピール…プーチン大統領と金総書記が互いに「贈り物」 条約も公開…「遅延なく軍事支援」
プーチン大統領と金正恩総書記の首脳会談について、20日の北朝鮮国営テレビが2人の様子を詳しく報じました。アピールしたのは2人の“固い絆”でした。
20日、北朝鮮の国営テレビで放送されたのは、19日にプーチン大統領が24年ぶりに北朝鮮を訪問した様子の新たな映像です。歓迎式典や1対1の首脳会談を終え、金正恩総書記に案内された部屋に飾ってあったのは、プーチン大統領の胸像です。
「金正恩総書記は、プーチン大統領に訪朝の記念として贈り物を渡しました」
胸像以外にも、金総書記はプーチン大統領に関連する複数の芸術品を贈ったといいます。
一方、プーチン大統領からは…
「プーチン大統領が金正恩総書記に贈った乗用車を交互に運転し、迎賓館の美しいところを回りました」
プーチン大統領が、自身の専用車でもあるロシア製高級車「アウルス」を贈ったということです。
プーチン大統領の運転で目的地に到着し、馬とふれあったり、バラの咲いた庭園を散歩したりした後、今度は金総書記がハンドル握ります。
ほかにも、愛犬家で有名なプーチン大統領に北朝鮮の天然記念物「豊山犬」を贈呈。犬の資料でしょうか、冊子に目を通したプーチン大統領は思わず金総書記に握手をしていました。
市民も招待されたコンサートで北朝鮮の歌手が披露したのは、「立ち上がろう」というロシアの歌。国家のために犠牲になった人をたたえる歌詞で、ウクライナ侵攻が始まってからたびたびロシア国内で歌われています。
北朝鮮の国営テレビは20日、両首脳から国民までの“固い絆”をアピールし、約75分にわたりプーチン大統領の訪朝を余すところなく紹介したのです。
締めくくりには、プーチン大統領の見送り。機内から握手のポーズをするプーチン大統領に同じポーズをし返す金総書記。
「(プーチン大統領の訪朝は)朝鮮とロシアの革新や発展において新たな活力や動力を提供する重大な契機になります」
放送に先立ち北朝鮮は20日、ロシアと締結した条約の全文を公開。経済や安全保障など様々な分野での協力強化を目指すとした上で、「一方の国が武力侵攻を受けて戦争状態となった場合、他方の国は保有するあらゆる手段で遅延なく軍事支援を行う」と書かれていました。(包括的戦略パートナーシップ条約 第4条)
そして20日、ベトナムを訪問したプーチン大統領は要人らと相次いで会談。こうしてベトナムとも友好をアピールすることで国際的に孤立しているイメージを払拭する狙いがありそうです。
一方、韓国政府はロシアと北朝鮮の条約締結を強く批判した上で、これまで制限してきたウクライナに対する直接の武器支援も検討する考えを示しけん制しました。
(6月20日放送『news zero』より)