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戦闘休止を2日間延長へ 国連機関の責任者「必要なのは長期の休戦」

2023年11月28日 22:12

日本時間の28日午後2時に期限を迎える予定だった、イスラエルとイスラム組織「ハマス」の戦闘休止が、2日間延長されることになりました。今後、本格的な停戦につなげられるかが焦点になっています。

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戦闘休止期間の“最終日”となった27日。イスラム組織「ハマス」は、あらたに人質解放の映像を公開しました。そこには、ハマスの戦闘員が女性を車椅子に乗せ自ら押していく様子や、少年に水を手渡したり、手を振ったりする様子も映っていました。人質への配慮をアピールする狙いがあるとみられます。

戦闘休止の4日間で解放された人質の数は69人となり、待ちわびた家族との再会を果たしました。
(24日24人 25日17人 26日17人 27日11人 合計69人)

延長を望む声が広がっていた中、仲介役のカタールは「4日間の戦闘休止をさらに2日間延長することで、双方が合意した」と明らかにしました。

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戦闘の休止期間中、ガザ地区南部のビーチには、子どもたちの笑顔と歓声が戻っていました。

避難住民(ガザ地区南部、25日)
「狭い部屋に80人くらいで住んでいて、気分転換のために海に来ています」

一方で、ガザ地区北部は、激しい戦闘によって街は廃虚になっていました。避難所として使われていたとみられる学校にも砲撃の跡がそのまま残り、人の姿は見られません。

それでも北部ガザ市には、懸命に日常を取り戻そうとする人たちの姿がありました。破壊された街の中で果物を販売したり、子どもたちが見つめる中、パンを焼いたりしていました。

医療従事者も懸命に活動を続けています。

看護師(ガザ市、26日)
「私は4人の看護師とともに、ここに残っていますが、それ以外には誰もいません。状況は悪く、食べ物、飲み物、生活必需品や医薬品もありません」

こうした中、国連機関は、いまだ物資が行き届いていないガザ地区北部への支援拡大を目指しています。27日、イスラエル軍の戦車が行き交うガザ市の郊外で、支援物資を積んだ国連のトラックが、続々と通過していきました。

国連機関の責任者(ガザ市郊外、27日)
「ここ数日で北部のいくつかのコミュニティーに行くことができたが、まだ十分ではありません。私たちに必要なのは、長期の休戦です」

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こうした中で実現した2日間の戦闘休止の延長。まだ約170人の人質が残っているとみられ、2日間の延長でさらに20人が解放される見通しです。

13歳のめいが解放され、直後に抱き合っていた男性。しかし、めいの母親は「まだ拘束されたまま」だといいます。

めいが解放された男性(イスラエル、27日)
「離ればなれになった2人の心境は、想像できません」

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イスラエル側には、28日に解放される10人の人質リストが届いたと報じられていますが、今回の戦闘休止の延長が、本格的な停戦につながるかは不透明です。