台湾の出版社編集長に「国家分裂扇動罪」で懲役3年判決 上海の裁判所

中国で2023年に消息を絶ち、その後、当局の取り調べを受けていた台湾の出版社の編集長に対し、上海の裁判所は「国家分裂扇動罪」で、懲役3年の有罪判決を言い渡していたことがわかりました。
台湾の出版社「八旗文化」の李延賀編集長は2023年、親族に会うために中国を訪れた後、消息を絶ち、その後、中国当局から取り調べを受けていることがわかりました。
この李編集長に対し、中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室は26日、上海の裁判所が先月、「国家分裂扇動罪」で、懲役3年と1年間の政治的権利のはく奪、5万元(約100万円)の財産没収の判決を言い渡したと明らかにしました。李編集長は控訴せず、判決はすでに確定したということです。
李編集長は中国出身で、出版社では新疆ウイグル自治区の歴史を記した本など、中国共産党に批判的な書籍を扱っていました。
台湾で中国政策を担う大陸委員会は17日、「中国共産党の狙いはこの事件を通じ、台湾の出版や学術分野を抑圧し、萎縮させることだ」と非難し、「台湾の人々は中国を訪れることのリスクを認識しなければならない」との声明を出しています。