G20サミット開幕 日本の狙いは 中露と対立深まり…「首脳宣言」見通し立たず
岸田首相は、インドで始まったG20サミット=主要20か国・地域首脳会議に出席しています。首相の狙いはなんでしょうか。現地から中継です。
岸田首相は、議長国インドを支え、グローバル・サウスとの連携を強化することで、日本が主張する「法の支配に基づく国際秩序の維持・強化」への理解と支持を広げたい考えです。
会議で、岸田首相は、ロシアのウクライナ侵攻を非難した上で、途上国を中心に侵攻の影響を受ける食料危機などの課題に積極的に貢献する姿勢を示したものとみられます。
ただ、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、日本や欧米とロシアや中国との間で対立が深まっている上に、グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国の主張にも違いが目立ち、G20は意見がまとまりにくい状況になっています。
このため、ある日本政府関係者は、「G20で初めて首脳宣言が出せないかもしれない」と指摘しています。
岸田首相としては、G7広島サミットでインドなどとも連携してまとめた食料危機や気候変動など、世界規模の課題への取り組みを説明しつつ、G20でも一致点を見いだしたい考えです。
こうした協調を呼びかけることを通じて、岸田首相には力による一方的な現状変更は認められないという、日本の訴えに支持を広げ、ロシアや中国に対抗していく狙いがあります。