【全文】中露爆撃機の共同飛行「外交ルートで重大な懸念伝達」松野官房長官(12/1午前)
松野官房長官は、1日午前の会見で、11月30日に、中露の爆撃機が日本海・東シナ海・太平洋上空で共同飛行を行ったことについて、「我が国に対する示威行動を明確に意図したものだ」と中露に外交ルートで「重大な懸念」を伝達したことを明らかにしました。
<会見トピックス>
▽中露爆撃機の合同巡回飛行
▽節電要請開始
▽全国旅行支援
▽北方領土問題
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
冒頭発言はございません。
――ロシアと中国は30日、両国の爆撃機が日本海や東シナ海の上空で合同巡回飛行を行ったと発表しました。政府は両国に対し外交ルートを通じて懸念を伝達したとのことですが、今回の飛行の意図や内容などの分析、近年、中露の極東での軍事協力の強化に対する今後の対応等について伺います。
○松野官房長官
すでに防衛省から公表した通り、きのう中国およびロシアの爆撃機が日本海、東シナ海および太平洋において、長期にわたる共同飛行を実施したことを確認をしております。このような両国の戦略爆撃機による我が国周辺での度重なる共同飛行は我が国周辺における活動の拡大、活発化を有するとともに、我が国に対する示威行動を明確に意図したものであり、我が国の安全保障上、重大な懸念と考えています。中露両国に対しては外交ルートを通じ、両軍が我が国周辺で頻度を上げて一連の共同活動を継続している状況に対して、我が国の安全保障上の観点から重大な懸念を伝達するなどしたところであります。
また、今回の共同飛行に関連して、中国機がロシア国内の飛行場にロシア機が中国国内の飛行場に、それぞれ初めて着陸したとのロシア側の発表もあるなど、中国軍とロシア軍が軍事的な連携を強化する動きもみられます。引き続きこうした両国の連携強化の動向については懸念を持って注視するとともに、我が国の領土、領海、領空を断固として守るため、対応に万全を期していく考えであります。
――節電について伺います。政府は今日から冬としては7年ぶりとなる要請を始めた。数値目標は設けない中でどのような節電を呼び掛けたいかあらためてお聞きします。
○松野官房長官
本日から全国を対象に数値目標を設けない節電要請を開始します。冬期の電力需給は安定供給に必要な予備率3%を確保することができていることから一律の数値目標は定めませんが、東北・東京エリアでは4・1%となる等、厳しい見通しとなっています。供給対策として、休止電源の稼働確保や追加的な燃料調達などの対策を行っていますが、需要対策としては12月から3月までの間、家庭や需要家の皆さまには重ね着などをして室温を下げる、使っていない部屋の照明を消す、お湯の出しすぎに注意するなど、無理のない範囲での節電・省エネへのご協力をあらためてお願いさせていただきます。節電プログラム促進事業についても、すでに節電プログラムへの登録支援を開始していますが、12月からは同プログラムの下で一層の節電に取り組む場合への支援を始めるなど本格的に開始します。厳しい電力需給の中でより多くの需要家の皆さまにご参加いただけるよう周知・広報に一層取り組んでいく考えであります。国民の皆さまにはこうした取り組みを活用し、ぜひ無理のない範囲での節電・省エネにご協力をいただきたいと考えております。
――全国旅行支援について伺います。斉藤国土交通大臣が年明け以降も継続することを表明していますが、具体的な開始時期や期間についてはどのような形で検討されているのでしょうか。
○松野官房長官
全国旅行支援については、年明け以降についても今後の感染状況の動向を注意深く見守った上で実施していくこととしています。その具体的な開始時期については今後の感染状況の動向を踏まえつつ、今後国土交通省において判断することとしており、実施期間についても、その際に合わせて判断されるものと考えています。
――岸田首相は本日、北方領土返還中央アピール行動で上京する北海道根室管内の首長らと面会します。当初、内閣府は和田義明副大臣が対応すると発表していましたが、昨夜になって一転して面会を決めました。首相の面会を巡って地元側や関係者とどういったやりとりがあって、どう判断したのでしょうか。また、ロシアによるウクライナ侵攻を契機とし北方領土問題は難しい局面を迎えていますが、政府の方針に変更はないのか伺います。
○松野官房長官
本日、岸田総理は北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会の方々から要請を受ける予定であります。総理の面会については、日ごろより国会対応等の公務の予定を総合的に勘案し決定しているところです。本日の面会についても、そうした調整の結果、実現できるものになったものと承知をしております。またロシアによるウクライナ侵略によって日露関係は厳しい状況にありますが、政府としては、北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持していく考えに変わりはありません。