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【全文】自衛隊施設の地下化などを検討「現実的に対策を講じていく必要」松野官房長官(11/24午前)

2022年11月24日 13:30
【全文】自衛隊施設の地下化などを検討「現実的に対策を講じていく必要」松野官房長官(11/24午前)

松野官房長官は24日午前の会見で、武力攻撃などから住民の生命を守る地下シェルターなどについて「現実的に対策を講じていく必要がある」と述べ、新たな国家安全保障戦略等を策定する中で自衛隊施設の地下化などを検討していると明らかにしました。

<会見トピックス>
▽ウクライナ情勢
▽岸田首相の領収書問題
▽秋葉復興相の公選法違反疑い報道
▽シェルター整備
▽サッカーW杯
会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――ウクライナ情勢について伺います。ロシアが軍事侵攻を始めてから24日で9か月となります。昨日もキーウで爆発があり、死者が出たとの情報があるほか、インフラへの攻撃が続き、IAEAはザポリージャ原発で外部からの電源供給が再び失われたと明らかにしました。政府見解と今後の対応を伺います。

○松野官房長官
ロシアによるウクライナへの侵略は国際社会が長きにわたる懸命な努力と多くの犠牲の上で築き上げてきた国際秩序の根幹を脅かすものであり、平和秩序を守り抜くためG7をはじめとする国際社会が結束して断固たる決意で対応していく必要があります。我が国としてロシアの攻撃によりウクライナ各地において多くの市民が犠牲になっていることを極めて深刻に受け止めています。民間人や民間施設への攻撃は国際法違反であり、断じて正当化できません。改めて強く非難します。関連して、現地時間23日、IAEAはザポリージャ原発が再び外部電源へのアクセスを失い、非常用発電機が稼働している状況である旨、発表したと承知をしています。またグロッシー事務局長が、同原発の安全性に関連する運用および同原発周辺に原子力安全核セキュリティー保護区域を緊急に設置する必要性につきロシア側と協議した旨発表したと承知をしています。日本としては、先般、IAEAミッションがザポリージャ原発等、ウクライナ国内で移動するために使用する防弾車4台の提供につき支援をすることを決定したところであります。ウクライナにおける原子力施設の安全等の確保に向けたIAEAの取り組みを引き続き後押ししていきます。日本は力による一方的な現状変更の試みを決して看過しません。冬の厳しい寒さが待ち受ける中でウクライナの人々に寄り添った支援を実施していくべく、電力分野等の越冬支援として発電機等を供与するため、22日に約257万ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定したところであります。G7をはじめとする国際社会と連携し、強力な対露制裁およびウクライナ支援を引き続き実施していく考えであります。

――岸田総理の領収書を巡る問題についてお伺いします。岸田総理の事務所は本日、昨年の衆院選の選挙運動費用収支報告書に添付された領収書に、但し書きの記載がない領収書が98枚あったと明らかにしました。公職選挙法では報告書に目的などを記載しなければならないという規定がありますが、政府として公選法違反にあたるという認識なのか。見解を。

○松野官房長官
本日岸田総理は、領収書の記載について不十分な点があったことについて、今後このようなことのないよう事務所に指示したと承知をしております。

――政治とカネの関連で伺います。昨年10月の衆院選を巡り、秋葉復興相の公設秘書が報酬を受け取って選挙運動に従事した、公選法違反の疑いがあると写真週刊誌が報じました。同様の問題は寺田元総務大臣も指摘されておりましたが、報道を受けた秋葉氏に事実関係を確認されたのか、今後の対応とあわせて伺います。

○松野官房長官
報道については承知しており、秋葉大臣からは、しっかりと説明責任を果たしたいとの報告を受けました。政治資金に関して指摘されている事項については、秋葉大臣より説明を行ってきているところであり、引き続き、報道されている点も含め、政治家としての責任において適切に説明することが重要であると考えています。

――日本がサッカーワールドカップ初の逆転勝ちで、優勝候補筆頭格のドイツを撃破し、世界に衝撃を与えました。前日にはFIFAランキング51位のサウジアラビアが同3位で優勝候補のアルゼンチンを破る大金星を挙げ、サルマン国王の指示で23日が急遽休日となりました。日本においては即決で休日にすることは困難かと思いますが、不可能と言われる予選突破をできれば、ドイツ戦勝利に並んで歴史的快挙となります。国民が盛り上がる喜ばしいことがほぼ皆無である中、政府として国民と共に祝う何かを検討するお考えはありますでしょうか。
もう一つ、毎回注目されていますが、今回も日本代表のユニフォームを身にまとったサポーターたちが開幕戦で日本の試合以外でも試合のスタンドのゴミを回収し、スタジアム内を清掃していた様子が世界で報道されています。これについても所見をお願いいたします。

○松野官房長官
昨日行われたサッカーワールドカップのグループステージ初戦で、過去4回の優勝を誇る強豪ドイツを相手に逆転勝利しました。チーム一丸でつかみ取った素晴らしい結果であり、国民に勇気を与えてくれる勝利でありました。グループステージはまだ続きますので、次のコスタリカ戦に向けてしっかりと準備をしていただき、次回も素晴らしい試合をしてくれることを期待をしています。国民とともに勝利の栄誉を称えることについてのご質問でございましたけれども、まずはグループステージ突破という大きな目標に向けて、日本代表チームのさらなる活躍を期待をしたいと思います。
サポーターの清掃活動についてでございますが、日本代表チームのサポーターが試合後のスタジアム内でゴミ拾いなどの清掃していることは報道で承知をしています。このようなサポーターの行動は素晴らしいことであり、世界中に発信されることは大変喜ばしく思います。

――防衛省が、ミサイル攻撃などを受けた際に国民を保護するシェルターの整備に関して、防衛力強化に向けた今後5年間の整備計画の中で、新設や建て替えをする自衛隊施設を、地域住民向けの地下シェルターとして活用できる設計とする方向で検討していることがわかったと一部報道があります。事実関係と、現在ある地下シェルターの数、今後の整備の検討状況について政府の見解を伺います。

○松野官房長官
弾道ミサイルなどによる武力攻撃災害から住民の生命及び身体を保護するために必要な機能を備えた避難施設の整備普及は武力攻撃から被害を防止するのみならず、武力攻撃の抑止という観点からも重要であると考えています。ご指摘の報道にあるような具体的方針を決めたとの事実はありませんが、防衛省においては、武力攻撃等に対して自衛隊施設の抗堪性を向上させるための施設の重要度に応じた地下化等の取り組みとともに国民保護のために何ができるのか、新たな国家安全保障戦略等を策定する中で検討していると承知をしています。
また、政府としては弾道ミサイル攻撃による爆風等の直接の被害を軽減する堅牢な建物や地下施設など緊急一時避難施設として指定するよう、都道府県知事等に対し働きかけており、地下施設について申し上げると、令和 3 年 4 月現在で 1278 か所が指定されているところであります。その上で、核攻撃等のより苛酷な攻撃を想定した施設については、北朝鮮の情勢等を鑑みれば現実的に対策を講じていく必要があるとの問題意識を持っており、一定期間滞在可能な施設とする場合に必要な機能や課題について検討を進めているところであります。

――秋葉大臣の件の関連で、報告はいつどのような形で、長官に対して報告があったと。

○松野官房長官
私に対して昨日の時点でありました。

――電話で。

○松野官房長官
電話でございます。