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平野官房長官が伊江島など視察 記者が報告

2010年1月11日 1:17
平野官房長官が伊江島など視察 記者が報告

 沖縄を訪れていた平野官房長官は10日、アメリカ軍普天間基地(宜野湾市)の移設先として新たに浮上している伊江島(伊江村)や下地島(宮古島市)を上空から視察した。那覇支局・田頭祥記者が報告する。

 沖縄訪問最終日、平野官房長官の視察先には、アメリカ軍海兵隊の飛行場がある伊江島、民間パイロットの訓練用空港がある下地島があった。いずれも民主党・小沢幹事長が移設候補地に挙げたとされる島だ。

 下地島空港は建設当時、政府は沖縄県と「軍事利用させない」との覚書を交わしている。また、05年に自衛隊誘致の動きがあったが、住民の強い反対で撤回に追い込まれた。今回も地元の議会では、反対決議に向けた動きも出ている。

 先入観を持たずに視察したいとしていた平野官房長官は、視察の後、「今現在、私がこういうふうに思うと皆様方に説明するのは適切ではない。控えさせていただく」と述べ、慎重な姿勢を見せた。

 移設が県民の思いだと訴えた仲井真知事は、「ゼロベースというのは、県内も含めて移設先は広く見たいということですかね。まあ、私は『あれっ』ということではあるんですが」と述べ、今回の視察に疑問を示した。

 平野官房長官は、今後も沖縄以外の候補地を視察する可能性を示したが、県民の不信感はぬぐえないままとなっている。