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溝深く…防衛相が沖縄知事に直接謝罪

2011年12月3日 2:51
溝深く…防衛相が沖縄知事に直接謝罪

 アメリカ軍基地移設をめぐり、防衛省の前沖縄防衛局長が不適切な発言をした問題で、一川防衛相は2日、沖縄を訪問し、仲井真県知事に直接謝罪した。政治部・前野全範記者が報告する。

 一川防衛相の強い意向で実現した謝罪だったが、仲井真知事との会談はわずか8分で打ちきられ、溝の深さが際立つ形となった。

 一川防衛相「私自身、心から知事をはじめ、沖縄県民の皆さんにおわびを申し上げたいと」

 仲井真知事「県民の尊厳というか、気持ちをかなり深く傷つけている。極めて極めて遺憾だとしか実は申し上げようがありません」

 一川防衛相「我々も謙虚な気持ちで頑張らさせて頂きたいと」

 仲井真知事「きょうは恐縮ですが、このくらいにしておきましょうね」

 政府は早期に事態を収拾し、年内に辺野古(沖縄・名護市)移設の前提となる環境影響評価書を提出したい考えだが、道のりは不透明。会談後、一川防衛相が「まず、おわびをしながら信頼回復することに当面は全力を尽くすということに尽きると私は思っている」と述べたのに対し、仲井真知事は「県民の信頼回復というのは厳しいし、時間がかかるだろうと僕は思いますよ」と述べた。

 一方、一川防衛相については、自民・公明両党が問責決議案を今の国会に提出する方針。一川防衛相は辞任を否定しており、野田首相も「これから脇を引き締めて職務を遂行してほしい」と防衛相を続投させる考え。しかし、問責決議案は提出されれば、可決される公算が大きく、政権は難しい判断を迫られることになる。