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野田首相の訪米の成果は?記者が報告

2012年5月2日 0:38
野田首相の訪米の成果は?記者が報告

 野田首相は日本時間1日、アメリカ・ワシントンでオバマ大統領と会談し、日米同盟強化を目指す共同声明を発表した。今回の訪米の成果について、ワシントン支局・青山和弘記者が報告する。

 民主党政権になって日米関係はぎくしゃくしたが、アメリカ政府内には「野田首相は話のできる相手だ」という評価があり、オバマ大統領も共同会見で、野田首相を「着実に仕事をこなす人」と持ち上げた。一方で、日本政治はあまりに不安定で、しばらく野田首相のワシントン訪問は無理ではとの懸念も強かったが、今回は何とか共同声明の発表までこぎつけ、日米関係の仕切り直しにようやく着手できたという形だ。

 しかし、具体的な結果に結びつくのはこれからで、アメリカ軍普天間基地の移設問題も解決のメドは立たず、TPP(=環太平洋経済連携協定)への参加表明も見送った。日本のエネルギー事情の回復に期待が高いアメリカからの天然ガスの輸入も、ようやく要請した程度だ。

 また、今回の首脳会談は、中国が陰の主役となった。アメリカが進めている対日政策は、アメリカ軍の再編もTPPも対中国戦略の延長線上にあり、そこに日本は巻き込まれている。アメリカ政府高官も「台頭する中国との関係を考える上で、日米関係の再構築は不可欠だ」と率直に話している。