防衛費“財源”議論 法人税など増税の項目示される
岸田首相が防衛費を増額するため、1兆円を超える財源を「増税」によって確保する方針を示す中、14日午前、自民党の税制調査会で法人税など具体的な増税の項目が、初めて示されました。
ようやく具体的な税目が示されたことで、自民党内での本格的な議論が始まりました。政府与党が16日のとりまとめを目指す中、増税への反対論は根強く、調整は難航も予想されます。
示された税目は3つです。1つ目は法人税で、1兆円を超えるうち、7000億~8000億円を賄うとしています。2つ目はたばこ税で、2000億~3000億円。3つ目が「復興特別所得税」の一部で、およそ2000億円としています。14日朝、税制調査会の幹部会では税目と税率までが示されました。
一方で、自民党内には増税自体に反対する声があり、特に復興費の財源である「復興特別所得税」を転用する案については、自民党幹部も「筋が悪いし、見え方も良くない」と話すなど、慎重な意見が根強くあります。
こうした中、岸田首相は、とりまとめに強気の姿勢を崩していません。増税ではなく国債で対応すべきとの批判に対して、岸田首相は周辺に「防衛装備を国債という将来世代への借金で賄うのはおかしい」と話しています。
さらに、「説明不足」との批判もふまえ、岸田首相は16日に記者会見を開くことも検討しています。