アメリカ・ニューヨークで国連総会に出席している安倍首相は日本時間２９日午前、ロシアのプーチン大統領と首脳会談を行った。北方領土問題で進展はあったのか。矢岡亮一郎記者が現地からリポートする。

　通算１１回目となった安倍首相とプーチン大統領の会談で、両首脳は、にこやかな表情で握手を交わし、良好な関係を印象づけた。友好ムードで始まった会談だが、安倍首相が北方領土問題の解決に意欲を示したのとは対照的に、プーチン大統領は領土問題には触れず経済協力の話を展開するなど、思惑の違いものぞかせた。

　会談では、プーチン大統領の日本訪問に向け最適なタイミングを探ることや、１１月の国際会議などを活用して首脳対話を継続することで一致した。

　また、会談は最後の約１０分間、安倍首相の提案で通訳以外の同席者を外し、プーチン大統領との１対１で行われた。外務省幹部は「プーチン大統領と直接話さなければ領土交渉は進まない」としていて、日本政府は今後もトップ同士の個人的関係を使って、打開策を探る方針。