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“辺野古”和解案受け入れ 政府の思惑は?

2016年3月4日 19:34
“辺野古”和解案受け入れ 政府の思惑は?

 沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設問題で大きな動きがあった。国と沖縄県の間で裁判になっていたが、4日和解した。辺野古沖の埋め立て工事は中止される。今回なぜ政府は和解案を受け入れたのか?青山和弘記者が解説。

 政府の和解案受け入れの理由としては、政府と沖縄県が抱えている3つの裁判すべてで、政府側が勝てるとは限らないこと。また参議院選挙を前に政府が沖縄と丁寧に向かい合う姿勢をアピールしたかったものとみられる。

 自民党の防衛相経験者の一人は「和解に応じないと印象が悪い、数か月遅れても丁寧にやるということだ」と話している。別の閣僚経験者は「今は政府が沖縄をいじめている感じが強い。参議院選挙もあるし、イメージを変えたかったのではないか」と語っている。

 安倍首相は4日も「辺野古への移設が唯一の選択肢」としていて、「それでは対話は進まない」とする翁長知事の主張と交わる気配はない。

 こうした中、ある政府高官は「話し合いでの解決は難しい」とした上で、結局裁判で決めることになるという認識を示している。工事をいったん中止することは、政府が沖縄県側に一歩譲った形だが、ある防衛相経験者は、今回の和解は辺野古への移設に向けた「小休止だ」と本音を語っている。