日中首脳会談 安倍首相が“尖閣”抗議
中国で安倍首相と習近平国家主席が5日夜、会談した。中国の海洋進出をめぐりどのような話し合いを行ったのか。富田徹記者が報告する。
安倍首相は中国の海洋進出の中でも日本にとって大きな懸案である尖閣諸島周辺での中国公船の領海侵入について抗議し、自制を求めた。
「日本の立場、私の考えを率直に伝えました。今後とも対話と協議を通じて、東シナ海情勢の安定をはかり、これを真の意味で平和協力・友好の海とするよう中国側に働きかけてまいります」-安倍首相は「中国公船の活動は極めて遺憾で一方的に緊張をエスカレートする行動をなくすべきだ」と強く抗議した。
これに対し習主席は「東シナ海の平和と安定を期していく」と述べた。そして、両首脳は東シナ海などで両国の偶発的な軍事衝突を防ぐための緊急連絡体制設置に向け協議の加速で一致した。
南シナ海の問題については会談で、安倍首相は「国際法のルールを守り周辺国との不安解消につとめるべきだ」と述べ、「法の支配」の徹底が必要と主張した。
国営新華社通信によると、習主席はこれに対し「日本は、南シナ海問題について言動に慎重になるべきだ」と述べ、不快感をあらわにしたという。ただ、両首脳はより頻繁に会談を行い戦略的互恵関係を推進していくことでは一致した。