TPP承認案 民進議員が出し直し求める
衆議院の特別委員会でTPP(=環太平洋経済連携協定)の承認案をめぐる本格審議が始まった。民進党の近藤洋介議員は政府が国会に提出しているTPPの日本語訳に誤りがあった問題をめぐり承認案などを出し直すよう求めた。
ミスがあったのだから審議をやり直すべきだと迫る近藤議員に対し、安倍首相は誤りについてはすでに訂正を終えているとして審議継続に理解を求めた。
民進・近藤議員「最重要課題として、このTPP協定を位置づけるのであれば、きちんとした情報公開もせず、結果を見てくれと言って出てきた結果がこれだけのミスがあると。内閣の総責任者として、このことは、みずから反省をして、出直すと。で、出し直すというのが本来のあるべき姿ではないですか」
安倍首相「ミスがあったことについては、大変、申し訳ない限りでございますが、今後ですね、ぜひとも、ご審議を続けていただきたいと、このように思っておるところでございます」
また近藤議員は、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」をめぐり、日本の国会承認が他の国々から出遅れたとして「TPPの承認案より早く審議するよう方針転換すべきだ」と求めた。安倍首相は「パリ協定はすでに日本の主張が入り込んだものだ」とした上で、TPPとパリ協定、それぞれの早期承認に理解を求めた。
また民進党の篠原議員は安倍首相に対し、アメリカの次期大統領候補が共にTPPに反対していることを指摘し、「次期大統領の意向をもっと考えなくてはいけない」と追及した。安倍首相は、「今、私たちのやるべきことは、日本がリードをとる形でTPPを批准し、アメリカにも促していくことだ」と強調した。