“アベノミクス偽装”追及も…今後の国会は
防災対策のための公共事業費などを盛り込んだ今年度第2次補正予算案が、7日午後、参議院の予算委員会で可決された。
◆“不正統計問題”で与野党の攻防は
野党側は、厚生労働省の統計不正によってアベノミクスは偽装されているとして、実質賃金の伸び率について前の年と同じ事業所を比べた場合のデータを出すよう迫った。
共産党・倉林明子議員「政府は実質賃金数値見送りと。総理、公表しないつもりですか」
安倍首相「可能かどうかということも含めて、いま検討しているということだと思います」
共産党・倉林明子議員「今の答弁、(実質賃金の伸び率を)出すんですか、出さないんですか」
安倍首相「可能かどうかということでお答えをさせていただいた」
◆今後の見通しは
関係者によると、安倍首相は“アベノミクスの偽装”と印象づけられることにかなり警戒感を持っているそうで、政府は当面、この伸び率についても公表しない見通し。
一方で野党側が求めている、先週、更迭された厚労省の統計担当者の参考人招致について、与党側は「参考人隠し」と批判され続けることのリスクを重く見て、来週以降、応じる姿勢を見せ始めている。
◆“不正統計問題”は安倍政権のダメージにつながるか?
いまのところ、大きなダメージを与えているとは言えない状況だ。ある官邸関係者は「細かい数字の話で攻めてきても国民には響かない」「世論調査を見ても支持率は下がってないじゃないか」と強気の姿勢も見せている。
8日からは来年度予算案の審議が始まるが、野党側からは「統計は国の根幹だ。絶対に見過ごせない」との声が上がっていて、引き続き追及を強める方針。