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経済対策は“給付”と“減税”の2段階で実施 「デフレ完全脱却」目指す経済対策の閣議決定にあわせ、岸田首相が記者会見

2023年11月2日 18:27
経済対策は“給付”と“減税”の2段階で実施 「デフレ完全脱却」目指す経済対策の閣議決定にあわせ、岸田首相が記者会見

岸田首相は2日、所得税などの定額減税を盛り込んだ新たな経済対策の閣議決定にあわせて、記者会見を行いました。岸田首相は、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を決定したと強調し、対策は“給付”と“減税”の2段階で行うと説明しました。

岸田首相は記者会見で、「足元における最大の課題は、賃上げが物価上昇に追いついていないことだ」と述べました。

その上で、「デフレから完全に脱却し、賃上げや投資が伸びる、拡大好循環を実現するためには、一定の経過期間が必要だ」と説明し、そのために「今回の経済対策では、2段階の施策を用意した」と強調しました。

第1段階の施策について、岸田首相は「年内から年明けにただちに取り組む、緊急的な生活支援対策だ」と述べ、生活困窮世帯に対して、1世帯7万円の給付をできる限り迅速に行い、すでに行われている3万円の給付とあわせて、10万円を支給することで生活を支えていくと説明しました。

また、第2段階については、「来春から来夏にかけて取り組む、本格的な所得向上対策だ」と説明しました。来年の春闘に向けて、経済界に賃上げを働きかけることに加え、来年6月のボーナスのタイミングで、1人当たり4万円の所得税・住民税の定額減税を行う考えを示しました。岸田首相は、賃上げと減税を組み合わせることで「国民所得の伸びが物価上昇を上回る状態を確実に作り出したい」と強調しました。

経済対策の「スピードが遅い」という批判を念頭に、岸田首相は「『減税ではなく、給付金を支給すれば、もっと早い時期にお渡しできるではないか』という意見があることは承知している」と述べました。その上で、「幅広い国民の所得を下支えする観点からは、来夏のボーナスの時点で、賃上げと所得減税の双方の効果が給与明細に目に見えて反映される環境を作り出すことが必要と考えている」と説明しました。

また、防衛増税と減税の整合性に関する批判を念頭に、岸田首相は「『防衛費や少子化のために、今後、国民負担の増加が避けられないのであれば、減税をすべきではない』というご指摘もあります」と述べました。その上で、「政策には順番というものがあり、そして、順番が何よりも重要です」と強調しました。さらに、「デフレ脱却を確実にし、成長経済を実現するための取り組みを先行させることが重要であり、今回の減税と同時に防衛の税制措置を実施することは考えていない」と表明しました。