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【全文】安倍元首相の国葬「海外要人を含む参列者にマスク着用求める」松野官房長官(9/22午前)

2022年9月22日 18:32
【全文】安倍元首相の国葬「海外要人を含む参列者にマスク着用求める」松野官房長官(9/22午前)

松野官房長官は、22日午前の会見で、安倍元首相の国葬当日は、「海外要人を含む参列者にマスク着用を求める」と明らかにしました。

<会見トピックス>

▽日韓首脳懇談

▽ウクライナ情勢

▽ザポリージャ原発

▽国連改革

▽安倍元首相国葬

▽米FRB利上げ

▽ミサイル避難訓練

▽新型コロナ水際対策

▽オミクロン型ワクチン接種間隔

▽佐渡島金山

▽旧統一教会

▽金融政策

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官冒頭はございません。

――日韓首脳懇談について伺います。

日本時間の未明におよそ30分にわたって行われ、徴用を巡る問題などを前提に懸念を解決して、日韓関係を健全な関係に戻し発展させていくことで一致したとのことですが、懇談に対する日本政府の評価と今後の日韓関係についての考えを伺います。

○松野官房長官
現地時間9月21日、岸田総理は尹錫悦韓国大統領との間で懇談を行いました。

両首脳は、現下の戦略環境において、日韓は互いに協力すべき重要な隣国であり、日韓、日米韓協力を推進していく重要性について一致しました。

両首脳は北朝鮮への対応における、さらなる連携で一致しました。

また尹大統領から、拉致問題について改めて支持を得ました。

両首脳は懸案を解決し、日韓関係を健全な関係に戻す必要性を共有し、1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を未来志向で発展させていくことで一致しました。

両首脳は先の日韓外相会談を含め、現在行われている外交当局間の協議を加速化するよう指示することで一致しました。

また両首脳は、首脳間でも意思疎通を継続していくことで一致しました。

現下の戦略環境に鑑みれば日韓、日米韓協力の進展が今以上に重要な時はありません。

本日、首脳間で認識の一致をみた通り、日韓関係を健全な関係に戻すべく、我が国の一貫した立場に基づき韓国側と意思疎通を図っていく考えであります。

――今回の懇談について日本政府は正式な会談ではなく、「懇談」と発表しましたが、韓国政府は「略式会談」と発表しています。

日本政府が「懇談」と発表した意図と、両国の発表の違いについて受け止めを教えてください。

○松野官房長官
今回、首脳間で行った懇談は、諸般の事情を総合的に勘案した上で、双方の日程上の都合も踏まえつつ、実施したものであります。

これ以上の経緯の詳細は、差し控えさせていただきます。

会談と懇談の違いについて、厳密な定義が存在するわけではありませんが、今回は国連総会の機会に両首脳が短時間、議題を決めずに、接点を持とうとしたものであり、「懇談」としています。

韓国側の「略式会談」の表現でございますが、日本側でいわゆる「懇談」や「立ち話」と称しているものは、韓国では「略式会談」と呼称しているものと承知をしており、意味することは、異なるわけではないと承知をしています。

――長官からも先ほどもありましたけれども、政府の発表によると、日韓関係を未来志向で発展させていくことで一致したと発表にあります。

未来志向という言葉は、日韓関係の悪化を受けて、2019年に外交青書から削られた言葉で、それ以降、日本側はほとんど使ってなかったと認識していますが、今回首脳レベルに使った意図を教えてください。

○松野官房長官
両首脳は、現下の戦略環境において、日韓を互いに協力すべき重要な隣国であり、日韓、日米間協力を推進していく重要性について一致しました。

こうした認識を踏まえ、両首脳は、懸案を解決し、日韓関係を健全な関係に戻す必要性を共有し、1965年の国交正常化以来築いてきた、日韓の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を未来志向で発展させていくことで一致したものであります。

先日の日韓外相会談では、労働者問題に関して、外交当局間で行われている建設的なやりとりを評価しつつ、問題の早期解決に向けて、両国間の協議を継続していくこととしました。

今回、首脳間では、現在行われている外交当局間の協議を加速するよう指示することで一致しました。

引き続き、我が国の一貫した立場に基づき、韓国側と意思疎通を図っていく考えであります。

――関連。

いわゆる徴用工問題で目に見える進展が見えない状況で、未来志向という前向きな姿勢を日本政府が取ることが適切なのかどうか。

○松野官房長官
現在の状況、会談の内容に関して、詳細は控えさせていただきますが、未来志向という言葉を用いた意味は、先ほど申し上げた事案・事例を総合的に勘案して判断したものであります。

――当初、一方的に韓国政府が会談することで合意したと公表していましたが、そのことが会談ではなく今回の懇談になったことに影響したのでしょうか。

○松野官房長官
今回、首脳間で行った懇談は、諸般の事情を総合的に勘案した上で、先ほど申し上げました通り、双方の日程上の都合も踏まえつつ、実施をしたものであります。

これ以上の経緯の詳細は差し控えさせていただきたいと思います。

――ウクライナ情勢の関係で伺います。

プーチン大統領は21日、予備役30万人を動員すると発表しました。

それに対して、国際社会の懸念がすでに高まっています。

背景にはロシア軍の人員不足も指摘されていますが、どういうふうに分析、受け止めていらっしゃいますか。

またプーチン大統領は同じテレビ演説で、ロシア領の統一性が損なわれる恐れがあればあらゆる手段を講じるとして、核兵器使用の可能性を排除しない姿勢も示唆しました。

これについての受け止めもお願いします。

○松野官房長官
プーチン大統領は9月21日に行った演説の中で、ウクライナ国内における住民による投票、予備役等を対象とした部分的動員、ロシアの領土一体性が脅かされる場合の、ロシアが有する全ての手段の使用などに言及したと承知をしています。

ロシアによるウクライナ侵略は国際社会が長きにわたる懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げてきた国際秩序の根幹を脅かすものであります。

また、我が国としては、今般のロシアによる侵略の中で核兵器が使用される可能性を深刻に懸念をいたします。

唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核兵器による威嚇も、ましては使用もあってはなりません。

さらにウクライナ国内における住民投票と称する行為は、ウクライナの主権と領土一体性を侵害し、国際法に違反する行為であり、認められてはならず、強く非難します。

そのような試みは無効であり、国際社会の法の支配に反するものであります。

我が国は力による一方的な現状変更の試みを決して看過できず、引き続き、G7をはじめとする国際社会と連携しつつ、強力な対露制裁およびウクライナ支援の二つの柱にしっかり取り組んでいく考えであります。

――関連で。

ザポリージャ原発について。

IAEAは再び砲撃があり、原子炉の冷却に必要な電力を供給するケーブルが損傷したと明らかにし、原発周辺を安全な区域に設定することなどを訴えた。

国際社会による非難にもかかわらず、再三にわたり原発の安全性が懸念される事態が続いているが、政府見解と今後の対応を伺う。

○松野官房長官
21日の国際原子力機関の発表によれば、ザポリージャ原子力発電所のサイトで砲撃が再開され、6基ある原子炉のうち、1基に電力を供給するケーブルが損傷し、一時的に非常用ディーゼル発電機を使用したものの、現在は再び外部電力にアクセスできるようになっているものと承知しております。

現地に駐在するIAEAの任務が妨げられることなく行われ、ザポリージャ原子力発電所の安全等が確保されることが重要です。

いずれにせよ、ロシアによる原発の占拠を含めロシアの一連の行為は決して許されない暴挙です。

東電福島第一原子力発電所事故を経験した我が国として、強く非難します。

ロシアに対しこのような蛮行を即座に提出するよう求めていきます。

――国連改革について。

アメリカのバイデン大統領は国連総会の一般討論演説で安保理の理事国拡大を支持すると表明し、常任理事国は特別な状況を除き拒否権行使を慎んできたと述べた。

国連改革をめぐっては岸田総理も意欲を示しているが、今回のバイデン氏の演説の評価について伺う。

○松野官房長官
バイデン大統領は、国連総会の一般討論演説において、米国として国連憲章を堅持し、拒否権行使を抑制するとともに、安保理の常任、非常任双方の拡大を支持する旨、表明したと承知をしています。

ロシアのウクライナ侵略により、国際秩序が未曾有の困難に直面し、国連が試練の時にある中、国連と安保理の信頼を回復するため、米国がこのような立場を表明したことを歓迎します。

我が国としても、岸田総理が一般討論演説で述べた通り、安保理改革に向けた行動を訴えてきているところであります。

米国を含む関係国とよく意思疎通しつつ早期に進展が得られるよう引き続き努力をしていく考えであります。

――安倍晋三元首相の国葬について伺います。

国葬における警察官の警備体制、警備人数を公表できるようでしたら教えてください。

また、過去11例の首相経験者の国葬・合同葬のうち、今回が最多の動員人数になるかも教えてください。

現段階で警備人数を公表できないとしたらその理由と、あわせて発表のめども伺います。

○松野官房長官
今回の国葬儀の警備に従事する警察官の人数については、警備を要する要人の数や日程等が最終的に確定した後、警察において所要の検討の上、過去の大規模警備の例にならって、しかるべき時期に公表する予定であると聞いています。

――国葬にあわせて首都高が通行止めとなります。

この通行止めで影響を受ける車両の台数はどれぐらいを見込んでいるのか教えてください。

また、通行止めによって生じる高速料金はどの程度の減収が想定されるのか、その減収分を政府から首都高速道路株式会社に補填する予定があるのかも伺います。

○松野官房長官
国葬儀等に伴い、9月26日から9月28日までの間都内の首都高速道路において、必要な交通規制が実施される見込みとなっています。

この交通規制により影響を受ける車両の台数や首都高速道路株式会社の減収については、国交省および首都高速道路株式会社において特段算出していないものと承知をしています。

また、この交通規制は海外要人の移動等に伴う交通の安全を確保するため、道路交通法に基づき行われるものであり、政府から減収補填を行う予定はありません。

――昨夜のアメリカの利上げを受けて円安が進んでいるが、内閣支持率の低下要因、アベノミクスや円安があるのではないか。

所見を。

今日、日銀会合があるが、何か期待があればコメントを

○松野官房長官
まず、受け止めということでございますが、9月20日から21日に開催された米国FOMCにおいて政策金利を前回7月の会合に続き、0.75%引き上げることが決定されたと承知をしています。

米国におけるインフレの動向や金融政策の変更により日本経済や世界経済にどのような影響が生じるか引き続き注視をしていきたいと考えております。

これらの問題と内閣の支持率との関係の受け止めというご質問でありますけれども、従来から申し上げてます通り、支持率に一喜一憂することはございません。

真摯にそこに表れてる国民の声をお聞きをしてまいりたいと考えております。

――ミサイル避難訓練で伺う。

政府は本日の富山県魚津市を皮切りに、北海道内2自治体を含む10自治体で自治体で共同による避難訓練を4年ぶりに行う。

その意義をどう考えるか。

また、北海道滝川市は、これとは別の枠組みで来月同様の訓練を行うと思うが、他の自治体でも同様の動きがあり、自治体独自の取り組みをどう評価するか。

○松野官房長官
本日、今年度初めて富山県魚津市で国と地方公共団体が共同で行う弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を行うこととしていますが、同様の訓練を今年度内に合わせて10の市町村で実施する予定であります。

この訓練は国民保護法に基づき行うものであり、弾道ミサイルが我が国に飛来する可能性があると判明した場合にどのような行動をとるべきか、住民の理解を深めていただく点で重要であると考えています。

またこれとは別に、地方公共団体が単独で行う弾道ミサイルを想定した住民避難訓練については、令和4年3月現在で38都道府県154市区町村において、計460件を実施いただいており、こうした取り組みが広がることも意義があることと考えています。

政府としては、地方公共団体に対し訓練の必要性を丁寧に説明するとともに、訓練を通じて得られたノウハウの周知を行い、引き続き全国各地で実施されるよう取り組んでまいりたいと考えております。

――国葬について伺います。

海外からの参列者にマスクの着用を求めることはあるのか、政府の方針を教えてください。

○松野官房長官
国葬儀当日は海外要人を含む参列者にマスク着用を求めるとともに、消毒液設置等の感染対策を行う予定であります。

――岸田総理は先ほどニューヨークで、来月以降、水際対策をさらに緩和する考えを明らかにしました。

これにより今後日本に多くの海外観光客を受け入れることが見込まれますが、外国人観光客に対するマスクの着用については現状日本政府としてどのように呼びかけていくお考えでしょうか。

○松野官房長官
今後の水際対策については、感染拡大防止と社会経済活動のバランスをとりながら緩和を進めていくという基本的な考え方に変わりはありません。

今後も内外の感染状況やニーズ、主要国の水際措置の状況等を踏まえながら適切に判断していく考えであります。

――新型コロナのワクチン接種について伺います。

オミクロン株対応ワクチンの接種間隔を、現在の5か月から3か月に短縮する方針を政府が固めたとの報道があります。

政府は10月下旬をめどに短縮を検討することとしていますが、事実関係と現在の調整状況を教えてください。

○松野官房長官
オミクロン株対応ワクチンについては現在、初回接種を完了した。

12歳以上の全ての方を対象に、前回の接種から少なくとも5か月以上の間隔をあけて1回接種することとしています。

接種間隔については先日の厚生労働省の審議会において、短縮する方向で検討すべきとの指摘があったところであります。

これを受けて、10月下旬までに結論を得るべく、現在厚生労働省において海外の動向、有効性、安全性等の情報の収集や検討しているところと承知をしています。

――佐渡島金山の世界遺産登録について。

暫定版の推薦書を29日にユネスコに提出する方針を固めたと一部報道があります。

現在の検討状況をお伺いします。

また、世界遺産登録に向けての見通しについてもお願いします。

○松野官房長官
ご指摘の報道があったことは承知をしていますが、暫定版の推薦書については期限である9月末までの提出に向けて現在最終的な調整を行っているところと聞いています。

詳細は文部科学省にお問い合わせをいただきたいと思います。

――旧統一教会への解散請求についてお聞きします。

旧統一教会を巡る野党のヒアリングで、文化庁の担当者が裁判所が確実に旧統一教会に解散命令を出すだろうという状況がなければ、請求すべきではなく、文化庁として無責任な対応はできないと述べている。

これに対して、裁判所はあくまでジャッジするところであって、現在のその状況に対して何もしない文化庁こそ無責任だとの批判が高まっているのも事実です。

官邸としても文化庁と同じ考えなのか確認させてください。

○松野官房長官
宗教法人法では、信教の自由および政教分離の原則という憲法上の要請から所轄庁の権限は最小限に限定されているところであります。

また宗教法人の解散命令については、過去の裁判例において解散命令の事由の考え方が示されていると承知をしており、この考え方も踏まえて検討する必要があると認識しています。

宗教法人法の具体的な運用については所轄庁である文部科学省において、こうした法律の趣旨等を踏まえ、個別の事実関係に基づき適切に判断していくものと考えています。

――金融政策の関係で伺います。

アメリカに続きまして、今日は日銀の他、スイスやイギリスでも金融政策が発表されます。

日本だけが金融緩和継続で孤立する形になれば、円安や日本国内の物価高につながるリスクがあるとの指摘もありますけれども、日銀にはどんな金融政策を期待するかお聞きします。

○松野官房長官
日銀の金融政策決定会合について、政府としての立場からあらかじめ何か申し上げることは差し控えたいと思いますが、各国の金融政策はそれぞれの国の経済物価情勢等に応じて実施されるものと理解をしています。

今後とも日銀には経済物価金融情勢を踏まえつつ、適切に金融政策運営を行われることを期待をしています。