参院選から一夜 注目候補の選挙戦泣き笑い
21日に行われた参議院選挙は124の改選議席が全て決まり、自民・公明の与党がその過半数を上回る議席を獲得し、勝利した。話題を集めたあの注目候補は選挙戦をどう戦ったのだろうか。その“泣き笑い”までカメラが密着した。
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喜びから一夜が明けた22日。日本維新の会から出馬し、当選を果たした鈴木宗男氏。
鈴木宗男氏「令和になって初めての国政選挙。国会に戻れるのは格別ですね」
「最後の戦い」と位置づけ、のぞんだ選挙戦。地元・北海道から南は沖縄まで。全国2万キロ以上を走り回った。
そして、話題になるのは、選挙のたびに駆けつける盟友、松山千春さん。さらに今回は、世界的な大物の姿も。宗男氏の演説を聞いているガタイのいい外国人男性。実はこの人…
鈴木宗男氏「スティーヴン・セガールさんが来てくれました」
親交があるという映画「沈黙シリーズ」で有名なハリウッド俳優、スティーヴン・セガールさんが駆けつけたのだ。
スティーヴン・セガールさん「今回の選挙、よろしくお願いします」
仲間の応援もあり、9年ぶりの国政復帰を果たした。
応援むなしく、落選した候補者も。自民党の塚田一郎氏(55)。塚田氏といえば、やはり…
塚田国交副大臣(当時)「森友(問題)とか色々言われていますけど、でも私は忖度します」
マイナスイメージを払しょくすべく、初日から走り続けた選挙戦。また、塚田氏が「忖度した」という大物も続々と応援に訪れる。しかし…
塚田一郎氏「猛ダッシュしてふくらはぎを痛めてしまいまして」
後半の失速が影響したのか、逆境をはね返すことができず落選となった。
一方、満面の笑みで姿を見せたのは元グラビアアイドルの立憲民主党・塩村文夏氏(41)。
歓喜の声は、あの注目候補からも。
「須藤元気さん。おめでとうございます!」
元総合格闘家で立憲民主党の須藤元気氏(41)。当選確実の情報が入ったのは、22日午前4時前だが…
須藤元気氏「バンザイとかやらないんですか?」
「そうだ」「改めまして、おめでとうございました!バンザーイ!」
須藤元気氏「こういう感じ?」
生まれて初めてだというバンザイを披露。選挙戦で話題を呼んだのはビラ配り。
須藤元気氏「チラシをお願いします」「ありがとうございます、がんばります」
得意のダンスで有権者の心をつかんだ須藤氏。まずやりたいことを問われると…
須藤元気氏「僕、枝野代表に会ったことがないので、まずご挨拶をしたいなと思っております」
改選前の9から改選後17と、大幅に議席数を増やした立憲民主党。ただ、その波に乗れなかった新人候補も。
市井紗耶香氏「政治の世界に子育ての当事者が少ないからです」
元・モーニング娘の市井紗耶香氏。ママになってもその人気ぶりは健在だったが、思うように票が伸びず落選。会場にも姿を見せることはなかった。
一方で、結成以来初の議席を獲得した政治団体も。21日夜、ひときわ大きな歓声に包まれていたのは――
山本太郎氏「どもどもども。見た?見たよな?見た?」
山本太郎代表率いるれいわ新選組。結成から約3か月ながら比例代表で2議席を獲得。得票率も2%を超え、政党要件を満たした。ただ、自身は落選した山本代表。今後の進退については…
山本太郎氏「消費税増税の悪い影響が出る前に必ず選挙が行われると思っています。早ければ年内、だからもうきょうから始まっています、衆議院選。そういう気分です」
また、「NHKから国民を守る党」も1議席を獲得し、政党要件を満たすものとみられる。
反安倍政権の受け皿として新たな政党が誕生した今回の選挙。自民党は定数1の選挙区で22勝10敗と楽な戦いというわけではなかった。安倍政権幹部は――
政権幹部「激戦区で競り負けた」
投票率をみても、48.80%と1995年の参院選に次ぐ戦後2番目の低さだった。一夜明け、安倍首相は6回連続国政選挙で勝利したと強調。
安倍首相「安定した政治基盤の上に新しい令和の時代の国づくりを進めよと、国民の皆様からの力強い信任をいただいた」
また、争点としていた憲法改正については。
安倍首相「少なくとも、議論すべきという国民の審判は下ったと思います」
与党と憲法改正に前向きないわゆる「改憲勢力」で改憲の発議に必要な3分の2の議席を維持できなかったものの、任期中の憲法改正にむけ前向きな考えを改めて示した。