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【解説】自民党案 どう修正? 難航する修正協議の行方は… 政治資金規正法 改正案

2024年5月29日 19:41
【解説】自民党案 どう修正? 難航する修正協議の行方は… 政治資金規正法 改正案

国会では政治資金規正法の改正をめぐる与野党の協議が本格化しています。29日、自民党は自らの案を修正した案を示しましたが野党側は不十分だと反発しました。自民党が示した修正案について元の案からどのような点を変えたのか内容を整理します。

山崎誠アナウンサー
「自民党が修正したのは、主に3つです」

「まず1つ目は、使い道を公開する義務がなく“ブラックボックス”ともいわれる政策活動費についてです」

「自民党は、元の案では選挙関連費など大まかな項目ごとに報告し、収支報告書に記載するとしていましたが、今日の修正案ではこれに加え、実際に使った時期を『月』単位で記載することが盛り込まれました」

「また改正した規正法の施行から3年後には、改めて見直す規定を新たに追加しています。そして、議員に規正法違反などがあった場合、政党交付金を減額する仕組みをつくることも盛り込まれました。こちらは野党の国民民主党が主張していた案を盛り込んだ形です」

「ただ野党側は、この修正案についても『話にならない』と突き放しています」

「というのも、野党側が譲れないと修正を求めているのは次の3点、『政策活動費の廃止』『企業・団体献金の禁止』『連座制の強化』です」

「29日の修正案では、政策活動費の廃止が求められていたものの、政策活動費は使った時期の月単位の公開にとどまるなど、この3点について野党の主張はほぼ反映されず、野党は『ゼロ回答』と批判しています」

   ◇

鈴江奈々キャスター
「ここからは政治部の天野裕貴記者とお伝えします。政治資金規正法改正案の審議の行方について、3つの疑問について聞いていきます」

1. なぜ 野党は強く「反発」?
2. 公明党が「軟化」したワケ
3. 法案 会期内に成立する?

■自民党が厳しい案を自ら出すべき…野党反発のワケ

鈴江キャスター
「まず、自民党が示した修正案に対してなぜ、野党はそこまで強く反発しているのでしょうか?」

政治部 天野裕貴記者
「先ほどもありましたように、野党側は『話にならない』と突き放しています」

「自民党としては、野党の意見を一部ですが取り入れ『これでなんとか理解してほしい』という姿勢ですが、ある野党幹部は『改革の本質に迫っていない』として、自民党の修正では不十分という主張です」

「なぜかといえば1つは、野党側がもっともこだわっている3項目について、自民党側が歩み寄る姿勢を全く見せなかったからです。野党側からすれば、そもそも今回、政治資金規正法を改正する事態を引き起こしたのは自民党なんだから、もっと厳しい案を自ら出すべきだという思いなんです」

鈴江キャスター
「そうした強気な態度の野党側を、与党側はどうみているのでしょうか?」

天野記者
「自民党内には、野党側の主張は『現実的ではない』と指摘する声もあります。というのも、立憲民主党の主張は、政治資金パーティーの全面禁止など、自民党がとてものめないような厳しい内容も多く、自民党内には『野党は最初から折り合うつもりはない』という見方も出ています」

鈴江キャスター
「かなり溝が深いことが伝わってきます」

■公明党が「軟化」したワケ…自民党からのプレッシャーも?

鈴江キャスター
「それでは2つ目のポイントです。同じ与党の公明党は賛成に軟化したということですが、それはなぜなんでしょうか?」

天野記者
「ある公明党議員は『修正案に主張が一部でも盛り込まれている部分があるので評価した』と話しています。公明党は当初は自民党案に反発していましたが、態度を変えた背景には、ある自民党幹部は『何のための連立政権なんだ』と話すなど、自民党から連立のパートナーの公明党へのプレッシャーもあったとみられます」

「公明党は最終的には賛成に回る見通しですが、依然として自民党案では不十分という声は根強く残っています」

■会期内に法案成立する見通しは? 野党の分断狙う自民党

鈴江キャスター
「そしてポイント3つ目ですが、会期末は来月23日に迫っていますが、岸田首相は今の国会で必ず法案を成立させると言っています。実際に成立する見通しはあるのでしょうか?」

天野記者
「自民党は、なるべくスムーズに成立までの道筋をつけるために、今週中にも衆議院で法案を採決したい考えです。ただ、最も強硬に反対しているのは立憲民主党です」

「そこで自民党が狙っているのは、野党の分断です」

「具体的な戦略としては、日本維新の会の主張を聞く場をたびたび設けたり、修正案に国民民主党が主張する法律違反があれば政党交付金を減額する仕組みを盛り込んだりもしました」

「なんとか一部の野党の協力を得たいところですが、ある維新幹部は『今回は交渉の余地がない』と突き放し、国民民主党の幹部1人も『小手先の交渉をされても応じることはできない』と述べるなど、隔たりは埋まっていません」

「野党側の理解を得ないまま採決に踏み切れば、野党側がさらに反発するのは必至です。自民党が、規正法改正案の中身はもちろん、採決に向けた進め方についても、野党の理解をどこまで得られるのかが焦点となります」