ウクライナ首都は「キーウ」?「キエフ」?日本政府は
ウクライナの首都「キーウ」の呼称をめぐり、政府の対応が割れています。防衛省ではロシア語読みの「キエフ」とウクライナ語の発音に近い「キーウ」を併記する一方、外務省は「ウクライナ政府との調整も含めて検討」として現在は「キエフ」の使用を継続しています。
ウクライナの首都「キーウ」をめぐっては、自民党の外交部会などを中心に、侵攻している側であるロシア語読みの「キエフ」を用いるのは適切ではないとして、ウクライナ語の発音に近い「キーウ」に変更すべきとの声があがっています。
防衛省では、今月25日から作成・公表する資料では「キエフ」にあわせて「キーウ」も併記するようになりました。
これについて、岸防衛相は29日の会見で、「主要メディアにおいて、ウクライナ語の発音に基づいたキーウとの発音表記も用いられるようになってきていることを踏まえ、今般の防衛省の資料においては、国民の皆様に向けた情報発信との位置づけを踏まえつつ、キーウ、およびキエフを併記したものだ」と述べました。
一方、林外相は、「政府としては相当程度定着しているキエフなどをのぞいてすでにウクライナ語に基づくカタカナ表記を使用してきている。キエフについてもいかなる表記や呼称を用いるのが適切か、ウクライナ政府との調整も含めて検討している」と述べました。
松野官房長官は、会見で、こうした政府内の対応の違いを統一するのか問われ、「一番大きな要素は、ウクライナ政府がどう考えるのか、希望するのかを踏まえて、これから検討していく考えだ」と強調しました。
ある外務省関係者は、「表記や呼称をめぐっては、ウクライナ側とすでに調整を進めている」と話していて、近く結論が出るとの見通しを示しています。