【解説】なぜ…?自民修正案に公明「賛同できず」一転の“衝撃”発言 今後の“2つ”の争点とは
公明党 山口代表(30日)
「自民党から昨日(29日)示された修正案、そのまま賛同することは出来ない。思い切った決断を求めたい」
藤井貴彦キャスター
「政治資金規正法の改正をめぐり公明党は、昨日(29日)時点では、自民党の修正案に賛成するのでは、と見られていたのですが、一夜明けたら一転、この発言でした。何があったのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「山口代表のこの発言を受けて、与野党からは驚きの声が広がりました」
「まず立憲民主党の幹部です。『連立(政権)の中で、ここまで意見が分かれているのは初めてだ』と。そして、ある自民党の閣僚は『どうするの?これ。もし公明党と折り合えなければ、岸田政権終わるよ』と話しています」
小栗委員長
「実は29日の段階では、自民党が、新たな規正法が施行されても『3年後をメドに見直す』と盛り込むことなどで、公明党も賛成する方向で調整に入っていたんです」
「ただ、この“賛成しそうだ”ということが、報道されたことで、公明党内から『このままでは自民党と同じ穴のムジナと見られる』と強硬論が出て、自民党にさらなる譲歩を求めようと、山口代表の発言になったようなんです」
「ある公明党の幹部は『今回そもそも自民党が起こした事故。それを、もらい事故して、公明党の方が損害が大きくなるなんてことは納得できない』と解説しています」
藤井キャスター
「こうなると、自民党が何かを譲るのか、そのまま突っぱねてしまうのか…どちらになるのかに注目ですね」
小栗委員長
「争点は大きく2つです。まず1つ目は、政党が議員に支給をする政策活動費の透明化についてです。自民党は『項目別に支出額を月ごとに公開』するとしていますが、公明党は、さらに細かく『明細書を提出し、使途を公開』するよう求めています」
「もう1つは、パーティー券購入者の名前の公開基準についてです。今は20万円を超える場合に公開となっていますが、自民党はこれを10万円超に引き下げる案を提出。公明党は、さらに資金の透明性を増すため、5万円超まで引き下げる案を強く求めています」
「自民党のある幹部は『昨日(29日)の時点で、5万円に折れておけば良かった』と。パーティー券の公開基準では、譲歩やむなしの構えです。ただ自民党内には、パーティー収入の減少に繋がるだけに拒否感も根強く、別のある自民党幹部は『譲れないものは譲れない』と話しています」
藤井キャスター
「自民党内でも意見が分かれているということで、今後、どのようになっていくのでしょうか?」
小栗委員長
「この先、さらに見通しづらくなりました。自民党内からは『こうなると党首レベルで話すしか、解決策がないかもしれない』という声も出ています」
「自民党は31日、改めて修正案を提示することにしています。野党どころか、連立政権パートナーである公明党から異論を突きつけられた格好で、当初目指していた今週中の衆議院の法案採決は断念に追い込まれました」
藤井キャスター
「カフカさん、一連のこの流れをどう見ていますか?」
シシド・カフカさん(ミュージシャン・『news zero』木曜パートナー)
「党が違えば意見が分かれるのは、もちろんあることだと思うし、私たちの知らない裏で足並みそろえて、これが決定だとおろされるよりは、こういうことがあって、国民が注目する、議論する『種』になるというのは、正常なことだなと感じました」
藤井キャスター
「ただ、道のりはまた長くなりそうです」
(5月30日『news zero』より)