「常識や良識を超えた時代に突入…“現実”を受け止めて」 防衛省入省式
新年度を迎えた1日、防衛省では入省式が行われました。岸防衛相は「今や我々は安全保障の楽観的な見方が通用しない、常識や良識を超えた時代に突入してるといっても過言ではない」と述べた上で、新入省員を激励しました。
岸防衛相は挨拶の中で、ロシアによるウクライナ侵攻に触れた上で、海洋進出を強める中国を念頭に「力による一方的な現状変更の試みはアジアにおいても見られており、国際秩序の根幹を揺るがす行為だ」と批判しました。
そして「今や我々は安全保障の楽観的な見方が通用しない、常識や良識を超えた時代に突入してるといっても過言ではない」と指摘し、「我が国の防衛に責任をもつ我々はこうした現実を真っ正面から受け止めなければならない」と述べました。
また、新入省員に対し「自分の仕事が国と国民を守ることに心意気を感じ、国民に対する責任を果たすことを実感してほしい」「公務員として常に国民を思い、公正であってほしい」と呼びかけました。
その上で、自らが座右の銘とする孟子の言葉「至誠」(「誠を尽くせば心を動かされないものはない」の意)を引用し、「国の仕事は国民からの信頼があって初めて成り立つ。その国民の信頼はそこに働く人々が国民のためを思って公正、公平に仕事をすることで得られるものだ。どうぞ皆さんも『至誠』の精神をもって新しい一歩を踏み出していただきたい」とエールを送りました。