【全文】国税庁装う“不審メール”「国税庁からメール送信はない」松野官房長官(9/20午後)
松野官房長官は、20日午後の会見で、国税の納付を求める不審なメールなどについて、国税庁に累計3000件を超える問い合わせがあることを明らかにした上で、「国税庁から国税の納付を求めるメール等を送信することはない」と強調しました。
<会見トピックス>
▽ウクライナ情勢
▽安倍元首相国葬
▽山際大臣と"統一教会"の関連
▽国税庁装う"不審メール"
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
私からはございません。
――ウクライナ情勢について。
ウクライナ側によると、南ウクライナ原発の周辺でミサイル攻撃があり、施設内の建物の窓ガラスが100枚以上割れたなどとしている。
南東部のザポリージャ原発に続き、原発の安全性に懸念が高まっているが、日本政府として把握している現状と受け止め、政府対応があれば伺う。
また、こうした問題について、岸田首相のアメリカ外遊中にも日本の立場を積極的に発信していくことになるのか。
○松野官房長官
ウクライナ政府は、南ウクライナ原子力発電所に対して、ミサイル攻撃が行われ、原子炉から300メートル離れた場所に落下した旨、発表していると承知をしています。
また、IAEAによれば、ウクライナは砲撃により送電線が影響を受けたが、後に再接続された旨、また、同原発の3基の原子炉は正常に稼動している旨、IAEAに通知したと承知をしております。
我が国として、引き続き事態を注視をしています。
ロシアによるウクライナへの侵略は、国際社会が長きにわたる懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げてきた国際秩序の根幹を脅かすものであり、平和秩序を守り抜くため、G7をはじめとする国際社会が結束して断固たる決意で対応していく必要があります。
ロシアによる原発の占拠を含め、ロシアの一連の行為は決して許されない暴挙であります。
東電福島第一原子力発電所事故を経験した我が国として強く非難をします。
ロシアに対し、このような蛮行を即座に停止することを求めます。
ロシアによる侵略を一刻も早くやめさせるために、国連総会の機会を含め、引き続き、G7をはじめとする国際社会と適切に連携をしていく考えであります。
また、そうした考えに基づいて発信を行っていきます。
――安倍晋三元首相の国葬に関する関連でお伺いします。
浜田防衛相は本日の記者会見で安倍元首相の国葬について「政府の説明が足りていないと思う」との認識を示されました。
政府内からこうした意見が出ていることについての受けとめを伺います。
またあわせて国葬実施までに野党などから曖昧と指摘されている選定基準ですとか、法的根拠、国葬決定までの経緯などについて政府として改めて説明を行う考えはありますでしょうか。
合わせてお聞きします。
○松野官房長官
ご指摘の発言については、国葬儀について様々な意見がある中で説明が不十分とのご批判をいただいていることを真摯に受けとめ、引き続き、しっかりと説明すべき、との趣旨であったものと理解をしています。
政府としては、これまでも総理や私から、国会や記者会見等の場を通じて、国葬儀を執り行うこととした理由や意義、また海外要人の出席の予定などについて、丁寧に説明をしてきているところであります。
引き続き、国民の理解が得られるよう、様々な場を通じて政府の考え方につき、丁寧に説明を尽くしていきたいと考えております。
――安倍元首相の国葬に関連して伺います。
内閣府は16日の野党ヒアリングで、元職を含む国会議員2000人弱が国葬案内状の送付対象であると明らかにしました。
政府として元職を含む国会議員何人に案内状を送付したのか、正確な数字があれば教えてください。
同じヒアリングでは地方自治体関係者約300人、三権の長は現職・元職あわせて30人が送付対象と説明しています。
この数字が正しいのかどうかもあわせて教えてください。
またそれ以外の立法・行政・司法関係者などの対象者はどのぐらいになるのでしょうか。
○松野官房長官
案内状の送付先についてはこれまでも説明してきている通り、現・元三権の長、現・元国会議員、海外の要人、立法・行政・司法関係者、地方公共団体代表、各界代表ご遺族およびご遺族関係者、報道関係者であります。
このうち現・元三権の長は約30人、元国会議員は2000人弱、地方公共団体代表は約300人に案内状を出しています。
それ以外については現時点で具体的な数は集計をしていません。
――旧統一教会問題について伺う。
山際大臣は本日の会見で、2018年7月の旧統一教会が主催するイベントに出席したことを指摘されて、出席を認めた。
これまでも外部から指摘を受けて関係を認めるという、そういった不誠実な対応について批判が強まっている。
臨時国会でも追及が予想される中で、大臣の進退や総理の任命責任についてどうお考えか。
○松野官房長官
山際大臣の発言については承知をしていますが、自民党における調査に関することについて、政府としてコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
その上で、政府における旧統一教会との関係については、総理から各閣僚等に対し、それぞれ点検し、厳正に見直すことを指示しているところであり、その結果については、それぞれの政治家としての責任において適切に説明すべきものと考えています。
――国税庁を装った詐欺メールが大量送信されていて、 被害相談が急増しております。
メールには、 例えば、1例で言いますと「所得税が納付されていない。最終期限までに納付がない場合は差し押さえ処分に着手する」などと書かれておりまして、 支払い等を促すというものです。
国税庁などへの問い合わせの件数や被害額などわかっている情報を教えてください。
○松野官房長官
ご指摘のように、最近、国税の納付を求める不審なメールやショートメッセージが送信されており、国税庁に累計で3000件を超えるお問い合わせをいただいていると承知をしています。
国税庁から国税の納付を求める旨や差押えの執行を予告する旨のメール等を送信することはなく、不審なメールを受けて国税の支払い等に応じることがないようご注意をいただきたいと思います。
――e-Taxを利用している人が増えていると思うが、登録の際にメールアドレスをはじめとして、個人情報が漏洩しているのでは、との心配する声や、今後もe-Taxを使い続けて大丈夫なのかという懸念の声がありますが、ご所見をお願いします。
○松野官房長官
ご指摘の不審なメール等に関し、e-Taxからメールアドレス等の個人情報が流出した事実は確認されていないと聞いています。
国税庁においてe-Taxの情報セキュリティには万全を期しており、納税者の皆様におかれては、今後とも安心してe-Taxをご利用いただきたいと考えています。
――今説明があったのは重要だが、これまで国税庁のHPではツイッターなどだけで現状の注意喚起は十分だったか最後に教えてほしい。
○松野官房長官
国税庁において、ホームページやツイッターによる周知に加え、報道機関に対しても情報提供を行うとともに、注意喚起への協力依頼を行うなど、対応を進めていると承知をしています。
今後とも国民の皆様に正確な情報が届くよう、国税庁において注意喚起に努めるものと考えています。