愛好家競り合い…自衛隊装備品オークション
自衛隊で不用となった装備品が初めてオークションにかけられ、次々と高値で競り落とされました。
連休の最終日。防衛省に抽選で選ばれた176人が集まり、オークションが開かれました。出品されたのは、実際に使われた後、不用になった装備品。開始価格3万円のヘルメットのセットに最高値66万円がつきました。
自衛隊70年の歴史の中で初めての試み。防衛省の予算が6年連続で過去最大を更新する中、少しでも財源の確保に役立てるために始めたといいます。
今回出品されたのは、陸海空の自衛隊から集めた29品目で、河野防衛相の署名が入った証明書つきです。自衛隊の装備に詳しい人は…。
P.X.SAITOH・齊藤文彦さん「こういったものが手に入るのは、これ(今回)だけになる可能性もある。どんどん競り上がっていくことが予想されますね」
実際に、最初の品「弾帯および弾入れ」は、開始価格5000円が激しい競り合いになり、13万1000円で落札され、高値落札の流れをつくりました。
落札した人「ご祝儀価格みたいな感じで、絶対にとってやろうと思って動きました。これ(証明書)が一番重いかもしれない。(大臣の)直筆なので」
今回のオークションで海上自衛隊は、35年間で地球32周分を航海し退役した練習艦「やまゆき」の表札や幕など8品を出品。うち4品に40万円以上の値がつきました。「やまゆき」の元艦長は…。
28代艦長・手塚真理子1等海佐「私が(オークションに)応募したいと思いましたね。この船を好きでいたいということをモットーにしている乗員がとても多くて。風通しがいい船だったなと」
乗組員に愛されていたという「やまゆき」。表札と幕の2品を合わせて74万円で落札したのは元乗組員の男性でした。
落札した元乗組員「正直『やまゆき』の船(の品)が全部欲しかったんですけど、そのへんの資金が…(笑)。元乗組員と年に1回会うので自慢したい」
今回のオークションの売り上げは581万8000円で、国庫に納められます。
河野防衛相「(隊員の)生活環境・勤務環境の改善などにしっかりと役立てるようなことを財務省と相談できればいいなと」
防衛省は今後、ネット上での開催も検討しています。