「次の総理」菅氏が最多 理由と課題は?
NNNと読売新聞社が行った「自民党総裁選に関する世論調査」について。日本テレビ政治部の竹内真デスクに聞いた。
NNNと読売新聞が9月に行った世論調査で、自民党総裁選挙に立候補を表明している3人のうち、「次の総理には誰が最もふさわしいと思うか」たずねたところ、菅官房長官が46%で最も多く、石破元幹事長が33%で続き、岸田政調会長が9%でした。「自民党を支持する」と答えた人の中で見ると、菅氏が63%、石破氏が22%、岸田氏が8%でした。
「次の総理は安倍総理の政策や路線を引き継ぐ方がよいか」たずねたところ、経済政策については、「引き継ぐ方がよい」が51%、外交・安全保障の路線は「引き継ぐ方がよい」が66%でした。
今回の自民党総裁選は、全国一斉の党員投票は行わず、国会議員と各都道府県連の代表者の投票で決まることについては「適切ではない」が59%でした。
「安倍内閣を指示する」と答えた人は前の月より15ポイント上がり、52%でした。安倍内閣の7年8か月の実績については「大いに評価する」が19%、「多少は評価する」が55%で、合わせて7割を超えました。
立憲民主党と国民民主党などが合流して結成する新党については、「期待しない」が58%でした。
ここからは、この世論調査について政治部の竹内真デスクに解説してもらいます。
――自民党の総裁選挙に立候補を表明している3人のうち、次の総理にふさわしいのは菅官房長官が最も多く、46%ということでした。
特に自民党の支持層では、菅氏の優位がより際立っています。
――この点はどのように分析しますか。
今回の総裁選は、国会議員のほか地方組織も投票できます。ほとんど全ての地方組織で、投票には自民党員の意向も反映することになっています。
自民党員の動向と自民党支持層の支持は重なる部分もかなりあると思われますので、菅さんは、国会議員だけでなく地方組織の票でも圧倒的多数を獲得する見通しと言えそうです。
――菅氏が優位な理由はどういったところにありますか。
調査では「安倍内閣の実績を評価するか」たずねたのですが、「大いに評価する」と「多少は評価する」と答えた人は合わせて74%でした。
この人たちを対象に「次の総理にふさわしいのは誰か」聞いたところ、菅さんが56%、石破さんが25%、岸田さんが9%でした。安倍内閣を評価する人が4分の3近くにおよぶ中、その半数を超える人が菅さん支持なわけで、菅さんが「安倍支持層」をがっちりつかんでいることがわかります。
安倍総理の経済政策を引き継ぐ方がよいと答えた人では3分の2ほどの人が菅さんを支持しています。外交・安全保障の路線を引き継ぐ方がよいと答えた人でも、5割以上が菅さん支持です。
「安倍政権を継承する」という、菅さんの主張は功を奏していると言えそうです。
――課題はどういったところでしょうか。
安倍内閣の実績を「あまり評価しない」、「全く評価しない」と答えた人に理由を聞いたところ「長期政権でおごりが生じた」と答えた人が最も多く81%でした。
また「次の総理にどのような能力が必要と思うか」たずねたところ、「国民への説明能力」が最も多く92%でした。森友加計問題では、安倍総理だけでなく、菅官房長官の説明する姿勢に対しても「丁寧ではない」などといった批判がありました。
「長期政権のおごり」は政権を一貫して官房長官として支えた菅さんへの批判でもあります。また、「国民への説明能力」が必要というのも「きちんと説明してほしい」という有権者の声と、菅さんは受けとめた方がいいのかもしれません。
【the SOCIAL inputより】