【総裁選・討論7】首相の資質とは?
石破氏「Aを聞いたらBを答える。それはいかんですよ」
菅氏「私の会見に問題があると思う」
岸田氏「国民の協力を引き出すリーダーが求められている」
自民党総裁選に立候補している石破元幹事長・菅官房長官・岸田政調会長の3人の候補が9月9日、日本テレビの「news zero」に出演。「収入」「子育て」「デジタル」の“3つのギャップ”など、さまざまなテーマについて議論しました。(聞き手:有働由美子キャスター、小栗泉・日本テレビ解説委員)
有働:続いて、お三方に問いたいのは、次の総理の資質です。
小栗:今月のNNNと読売新聞の世論調査で「次の首相にどのような能力が必要ですか」と聞いたところ、一番多かったのが「国民への説明能力」で92%でした。また、安倍内閣の実績を「評価しない」と答えた人に理由を尋ねたところ、一番多かったのが「長期政権でおごりが生じた」が81%でした。
有働:これは、政権を一貫して官房長官として支えた菅さんへの、ある意味の批判でもあるかと思います。菅さん毎日2回定例の記者会見をされていて、でも国民に届いていない。これはどうしてだと思われますか。
菅:私は1日2回記者会見する中で、私の会見に問題があるんだろうなと思っています。そうした批判はやはり謙虚に受けとめさせていただいて、対応する必要があるなと思いました。
有働:例えば、森友加計問題を見ていた人はやっぱり(安倍政権が)正面から答えてないと感じる人も少なくなかったわけですけれども、菅総理になったら国民に届くような説明というふうに変わりますか。
菅:いずれにしろ、次の首相にどのような能力(が必要かという問いの答えが)「説明能力」ですから、政府として何をやるかということを明確に掲げて、どのようにいつまでにやるかなど、国民の皆さんが「わかりやすいようにしてくれ」という声が多分一番多いんだろうと思います。そうしたことについては、やはりしっかり説明をさせていただきながら、「なるほどな」と納得のできる、そうした態勢をとっていきたいと思います。
有働:岸田さんは安倍政権の国民への説明能力についてはどう思いますか。十分だったと思いますか。
岸田:いや、こういった指摘があるわけですから、これは謙虚に受け止めなければならないと思います。そして今の時代を考えると、コロナウイルス対策をはじめ、これからの経済をはじめとする様々な課題、あるいは社会保障を考えても、国民の皆さんに協力をしてもらわないと、結果を得ることができない政策課題ばっかりですから、国民の協力が何よりも大事です。国民の協力を引き出す政治がリーダーに求められている。そのためには信頼が必要である。そのためには説明能力が重要である。こうしたことで、この(世論調査の)結果に繋がっているのではないかと思います。
有働:石破さんはどうですか。ご自身が総理になったら国民に届く説明ができる、納得させられると。
石破:今まで自分はそう努めてきました。大臣のときも、党役員のときも。答えをはぐらかしちゃ駄目ですよ。A聞かれているのにB答えたら議論かみ合わないじゃないですか。
有働:それは安倍政権の説明に関してはどうでしょう。
石破:そういうことが多々あったと思います。Aを聞いたらBを答える。それはいかんですよ。そして同じ答えを何度もする。そして、どんなに挑発されても、こっちが政府ですから。わかってもらわなきゃいけないのはこっちなんです。相手を揶揄してどうしますか。こちらがわかってもらう。わかってもらう側がこっちなのであって、議会と政府の立場を間違えちゃいけないんです。
小栗:説明をするという努力が欠けていたのではないかと思う1つが、自民党本部から河井夫妻側に1億5000万円が提供されていた問題です。8日、菅さんは「私がもし総裁になったら責任を持って対応していきたい」と話していらっしゃいましたけれども、調査をして結果を公表するといった考えはありますでしょうか。
菅:調査というよりもですね、もし総裁になったら、総裁としてどのようなことだったのか、ということは確認していきたいと思います。
小栗:確認結果を公表されるということは?
菅:必要であれば公表しますし、政治資金規正法で報告することに当然なっていますから、(報告が)されていればそのままじゃないでしょうか。
(以上、敬称略)