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「日本学術会議」6人の任命を求める方針

2020年10月2日 19:13

菅首相が6人の研究者を「日本学術会議」の会員に任命しなかった問題で、日本学術会議は2日、理由を明らかにするよう求めた上で、あらためて6人を任命するよう求める方針を決めました。

「日本学術会議」は2日に行われた総会で、推薦した105人のうち6人が会員に任命されなかったことについて、緊急で協議を行いました。

日本学術会議会長で東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長は、政府に対し、任命されなかった理由の開示と6人の任命を求める要望書を出す考えを示し、了承されました。梶田会長は、「学術会議というものはある程度“政府から独立して”いろんなことを発信していくものだと思う」「基本が変わるようなことがあってはいけない」と述べました。

任命されなかった研究者らは次のようにコメントしています。

立命館大学大学院・松宮孝明教授「それ(任命)を拒否できるということ自体が学術会議の職責・職務の独立性を侵すとんでもない話」

早稲田大学大学院・岡田正則教授「(政府が)聞きたい意見しか聞かないよと。今後の日本にとって大変、大きな禍根を残すことになるんじゃないか」

東京慈恵会医科大学・小澤隆一教授「このような形で学問・研究活動に対して、政府がその中身を審査して学術会議の任命権を行使することは、全くあってはならないということで、政治と学問との正常な関係を脅かす問題ということとして捉えなければならないと思います」

東京大学・宇野重規教授「私は民主主義の可能性を信じることを自らの学問的信条としています。その信条は今回の件によっていささかも揺らぎません。民主的社会の最大の強みは、批判に開かれ、常に自らを修正していく能力にあります。その能力がこれからも鍛えられ、発展していくことを確信しています」

京都大学・芦名定道教授「今回の問題は、単に個人の問題ではなく、日本の学術の基本に関わるものと思います」