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中国公船の動きに異変…尖閣諸島で何が

2020年12月22日 18:40
中国公船の動きに異変…尖閣諸島で何が

中国で海上警備を担当する「海警局」の船に武器使用も認める法案の審議が進んでいます。懸念されるのが尖閣諸島への影響です。今年に入り、尖閣諸島周辺でこれまでにない動きをしている中国側の船。何が起きているのでしょうか。

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尖閣諸島の南西およそ150キロに位置する与那国島。港を訪ねると、周辺の海で捕れた魚が水揚げされていました。

「(Q:これなんていう魚)これはねハマダイっていうんです。高級魚です。尖閣でも同じものが捕れます」

祖父の代から続く漁師の金城和司さん(48)。今年7月と10月、尖閣諸島の周辺で中国海警局の船に追尾された際、その様子を撮影していました。

金城さん「これが(中国)海警ですね。中国公船でこれが魚釣島」

今年7月のケースでは、魚釣島の周辺で漁を行ったところ、中国公船が日本の領海に侵入。風を避けるため島の北側に移動を始めたところ、中国公船も動き始めたといいます。

金城さん「完全に島に行くのを防ごうという」

金城さんの針路をふさぐかの様にスピードを上げた中国公船。海上保安庁の巡視船が間に入り、接近を防ごうとしています。

金城さん「海保も間に入りたいんですけどあまりにも(中国公船が)寄ってくるもんですから、回避しないといけない状態になって」

操舵に専念するため撮影をやめた金城さん。衝突を避けるため、中国公船の後方に針路を変えましたが、さらに針路をふさぐような動きを見せたといいます。金城さんは左に舵をきりかわしました。

これはその直後に別の乗組員が撮影した映像です。中国公船は追尾を続けています。

この後4日間にわたり金城さんの追尾・監視が続きましたが、日本の領海への侵入は合わせて69時間40分にもおよびました。

今年10月のケースは沖縄本島から尖閣諸島の大正島に向かっていた時でした。

金城さん「最初からついてきていましたよ、このときは事前に私の行動がわかるかのように」

金城さんが撮影した映像では、右側を航行する海上保安庁の巡視船の奥に重なって見えるのが中国公船です。中国公船は左側にも。

船のレーダーには左右の中国公船2隻とそれからガードする海上保安庁の6隻が映っていました。

金城さん「これだけ接近していて異常な状態ですよね」

金城さんを追尾する中国公船は日本の領海に侵入し、連続して57時間39分もとどまりました。

尖閣諸島周辺は深海魚などが捕れる豊かな漁場です。20年ほど前には与那国島だけでおよそ20隻が漁を行っていましたが。

金城さん「(2012年に)国有化になったあたりから中国公船が来るようになって、みんなだんだん尻込みしだした。(Q:今、与那国島の漁師さんで尖閣までいかれる方は?)私だけですね。今ね」

尖閣諸島の警備などにあたる石垣海上保安部。尖閣専従の大型巡視船10隻が配備され、撮影の間にも多くの巡視船が港を出入りしていました。

今年、中国公船が接続水域に入った日数は22日時点で326日。過去最多を更新しています。

中国では22日からの会議で海警局の権限を定める「海警法」の審議を行います。

海警法では中国公船に一定の条件のもとで武器の使用を認めているほか、活動対象の海域をあいまいにしているため、尖閣諸島周辺で漁をする漁船などへの影響が懸念されています。

中国政府のこうした動きの狙いとは――

NNN中国総局・富田徹記者「法案(海警法)は将来、尖閣諸島を支配下に置くための戦略の一環ともみられます。日本の漁船をつけ回す新たな動きは『この海の警察は「海警」だ』と主張するためで、法律は彼らの権限を強化して活動を後押しするためです。徐々に日本の船を締め出して中国の主権を主張するための既成事実を積み重ねる狙いがあります」

与那国島ではただ1人尖閣諸島で漁を続ける金城さん。

金城さん「(尖閣諸島周辺の漁は)当然続けますよ。別に領土とか領海とかああいう意味でじゃないですよ。当然今までそこでメシ食べてきたわけですから、今後も同じようにそれを維持していくということです」

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