躍進の「日本維新の会」 自身の“クビ”かけ挑んだ統一地方選、馬場代表の戦略とは――
今月行われた統一地方選挙で躍進した「日本維新の会」。次なる目標と「課題」とは…。馬場代表の戦略を取材しました。
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25日、豪快にカツをほおばっていたのは、日本維新の会・馬場代表。
馬場代表
「いつか自分のお金でこのパーコー麺を食べたいなと」
若かりし日に、ごちそうしてもらった思い出の味だといいます。
馬場代表
「懐かしいのと同時に、もっとがんばらないかんなと」
今月行われた、統一地方選挙。馬場代表は、地方議員の数が600人に届かなければ“代表を辞任する”と発表していました。
馬場代表
「潔く身を引く覚悟は持っています」
この数は、選挙前の1.5倍。なぜここまで高い目標を自らに課したのでしょうか。私たちは、馬場代表の選挙戦を追いました。
3日、馬場代表が訪れたは愛媛県。維新の現職議員は“ゼロ”です。
馬場代表
「あんまり人おらへんな…」
関西では高い支持を誇る維新ですが、全国的な知名度はまだまだ。立ち止まってくれる人は、なかなかいません。それでも、声をかけ続けます。
馬場代表「大阪とは全然違うね。大阪は(チラシ)配るのに必死やから」
馬場代表は「選挙には特効薬がない」と語り、地道に支持を訴えます。
馬場代表
「ビラないの?これ配らな!ビラ渡してきて!ビラ!」「周りよく見とかなあかんで!」
市議会議員出身の経験を生かし、どぶ板選挙を自ら“指導”します。
馬場代表
「最初選挙出たとき俺も恥ずかしくて、そんな人と握手とかできひんから。『馬場さんいかな!』ぼーん!って押されて、おーっとっとと無理に握手しにいった」
全国を回り、地道に支持を訴えた馬場代表。自身のクビをかけた理由をこう語ります。
馬場代表
「それはベンチャー政党やから。 一つ一つの戦いが真剣勝負だからね。ここから10年以内ぐらいに、政権とられへんかったらもうやめた方がましやね」
こうして挑んだ選挙戦。衆議院の補欠選挙では、和歌山1区で勝利。また、地方では空白地帯だった愛媛や秋田など複数の県で議員が誕生。総数は、目標を大きく上回る774人になったのです。
この結果を党幹部は、「自民党でも立憲民主党でもない層」を取り込んだと分析。さらに、全国行脚のほか、ネット広告などにも資金を投入し、露出を増やす戦略が功を奏したとみています。
しかし、他の野党からは――
立憲民主党幹部
「野党なのか与党なのか、立ち位置が中途半端だ」
さらに自民党からも――
自民党幹部
「自民党で議員になれないやつが集まっているコピー政党だ」
政党としての限界を指摘する声に馬場代表は――
馬場代表
「まだまだ個々の議員のレベルを見たら、自民党さんと比べると“天と地”の差。ここから維新の会結党以来の最大の山場が来たと思う」
維新が真の全国政党になれるのか、真価を問われることになります。