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尖閣に領海侵入…中国海警と海保緊迫の攻防

2021年1月14日 17:43
尖閣に領海侵入…中国海警と海保緊迫の攻防

尖閣諸島では14日も、中国海警局の船が領海侵入し、日本の漁船に接近する動きをみせました。先月、日本の漁船から撮影された映像には、海上保安庁との緊迫した攻防の様子がうつっていました。

尖閣諸島の南に位置する沖縄県・石垣市。14日は、石垣市が制定した尖閣諸島の記念日で式典が開かれました。

石垣市・中山義隆市長「引き続き国に対しましては、漁業者の安全操業の確保など、我が国の領土領海を守る取り組みの強化を要請して参ります」

尖閣諸島は、石垣市に属する日本固有の領土です。しかし、領有権を主張する中国は、常に海警局の船を派遣しており、14日も1隻が領海に侵入しています。

中国公船は領海に侵入し、何をしているのでしょうか。

先月、日本の漁船から撮影した映像を入手。そこには、漁船に接近を試みる赤いラインの入った中国公船と、間に入って守ろうとする青いラインの入った日本の巡視船の姿が記録されていました。

撮影場所は、尖閣諸島・魚釣島の接続水域付近。

先月26日、石垣市の仲間均(なかま・ひとし)市議が、漁師2人と魚釣島に向かった際に撮影しました。8時間以上かけて、接続水域の手前まで到達すると、船体に赤いラインの入った中国公船が現れました。

仲間市議によると、中国公船は2隻。左右から漁船を挟むように接近してきたため、海上保安庁の巡視船が間に入ったといいます。

漁船よりも速度を出せる中国公船は、どんどん間合いを詰めてきます。そこに現れた巡視船。中国公船が漁船に近づかないよう隊形を組んで安全を確保しました。

しかし、追尾は日本の領海に入っても続きます。並走する巡視船は、無線や電光掲示などで「領海から直ちに退去せよ」と警告しますが、聞き入れる様子はまったくありません。

仲間市議によると、魚釣島を望む日本の領海内で漁をする際も、中国公船の追尾は、漁船が接続水域を出てからもしばらく続いたといいます。

尖閣諸島周辺は、深海魚やカツオ・マグロなどが捕れる非常に豊かな漁場です。しかし、中国公船は14日も大正島で日本の漁船を追うように領海に侵入。漁を行う人たちからは「これまでは現れなかった海域にも常にいる状態。このままでは、漁ができなくなるのではないか」と不安の声があがっています。

政府は――

加藤官房長官「これは誠に遺憾であり、政府として断じて容認はできない」

外交ルートを通じて、中国側に厳重に抗議を行っているとしています。