解散前“最後の論戦”アベノミクスめぐり…
14日、衆議院を解散する方針の岸田総理大臣。国会では、最後の論戦となる代表質問が行われました。野党は、アベノミクスや選択的夫婦別姓にどう向き合うのか、岸田総理をただしました。
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解散を14日に控え、最後の論戦に臨んだ岸田総理。立憲民主党の森副代表は、アベノミクスについて─。
立憲民主党 森副代表
「岸田総理の答弁に驚きました。アベノミクスの自慢話の中で、『民主党政権の失敗から学んだ』とか、安倍元総理が乗り移っているようで、全然、岸田さんらしくないですよ。まだ民主党の悪口を言わないと、自分たちを正当化できないんですか。総理、アベノミクスは成功したんですか、失敗したんですか。はっきりとご答弁ください」
岸田総理
「アベノミクスによってデフレでない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用拡大しました。成長と分配の好循環による、新しい資本主義の実現を目指してまいります」
日本維新の会の片山共同代表もアベノミクスをめぐり─。
日本維新の会 片山共同代表
「いまだアベノミクス、第三の矢である成長戦略、とりわけ規制改革は不十分のままというのが定説です。しかし、総理は現在ある『成長戦略会議』や、『規制改革推進会議』の廃止・改組に言及されています。廃止・改変の狙いを伺います」
岸田総理
「新しい資本主義のビジョンの具体化を図るため、『新しい資本主義実現会議』を創設いたします。また、デジタル改革と規制制度改革を車の両輪として、一体的に改革を推進していくべく、そのための適切な推進体制を用意してまいります」
共産党の小池書記局長は、選択的夫婦別姓をめぐり、岸田総理がトーンダウンしたのではと批判しました。
共産党 小池書記局長
「総理は3月に発足した自民党の『選択的夫婦別姓制度を早期に実現する議員連盟』の呼びかけ人に名を連ねていました。半年前に『早期実現』を呼びかけながら手のひらを返したような対応は、あまりに無責任ではありませんか。総理の『聞く耳』というのは、国民の声でなく、党内反対派に対するものなのでしょうか」
岸田総理
「私は政治家として、選択的夫婦別氏制度に賛成の方の声にも、反対の方の声にもしっかりと耳を傾けてきたつもりであり、それらの声をふまえた上で、本件は引き続きしっかりと議論すべき問題であると考えているところであります」
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与党・公明党からも─。
公明党 山口代表
「法務省によれば、夫婦別姓が選べない国は日本だけです。希望する夫婦が、それぞれの姓を変えることなく結婚できるよう、制度導入を実現すべきと考えます」
岸田総理
「政府として、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、さらなる検討を進めてまいります」
そして、国民民主党の大塚代表代行は─。
国民民主党 大塚代表代行
「明日、衆議院を解散すると伺っています。総理は今回の解散で、国民の皆さんに何について信を問うのか」
あらためて、何を問う解散総選挙かをただしたのに対し、岸田総理は─。
岸田総理
「国民の信を問うた上で、一刻も早く大胆で思い切ったコロナ対策、経済対策を実現していきたいと考えて、可能な限り早い時期に解散を行うこととした次第であります」
野党側が求めた予算委員会の開催を拒否した自民党。岸田総理は14日午後、衆議院を解散する方針です。