【全文】岸田総理と面会した拉致被害者の曽我ひとみさん「一日も早い拉致問題解決のために力を出してくださるという、強い気持ちをいただきました」
北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさんが、総理官邸を訪れ、岸田総理大臣と面会し、早期の日朝首脳会談と拉致被害者の帰国を求めました。面会を終えた曽我ひとみさんが記者団の取材に応じた全文は以下の通りです。
──今、岸田総理大臣との面会でどのようなやり取りがあったのでしょうか。特にあのハイレベルの日朝協議に関し、何かやり取りはあったでしょうか。
今、岸田総理と短い時間ではありましたが、お話ができました。私の思いもしっかりと伝えられたと思っております。そして、総理からも、私の思いをしっかりと受け止めて、これからできるだけ色んな人と色んなことを考えながら、一日でも、一日も早い拉致問題解決のために、力を出してくださるという、強い気持ちをいただきました。
──要望書で帰国されてから21年間大きな変化がなかったけれども、一刻も早い解決を実現するようにと書かれていましたが、先ほどおっしゃっていた具体的な思いとは。
帰国果たして、21年という本当に思ってもいない長い長い時間が過ぎてしまいました。あまりにも長すぎたかなという、今、思いでいます。でも、これからでも、遅くはないので、一日でも早く拉致被害者全員が元気で、ご家族のもとに帰ってくることができることを、心から願っております。
──被害者の家族会は高齢化が進んでいますが、肉親との再会ということを解決をして、ここのハードルは下げないようにということを求めていると思います。この点について曽我さんはどのように受け止めてらっしゃるか。また、政府に対してもそれを踏まえてですね、どのように要望してらっしゃるか。
今、親世代でいらっしゃるのが、横田早紀江さんと有本さんなんですが、こないだ国民集会のときの映像を私もあのテレビで見せていただいたんですけど、早紀恵さんは2度ほど入院をされたということ。そして有本さんは1人では立つことのできない体になってしまっているということを、本当に胸が痛みました。そのご家族が健在でいる間に、全員を返していただきたいと思っております。
──今年1月には地村さんが総理官邸にお見えになって総理とお会いになりました。6月には蓮池さんが集会でまとめた要望書を郵送して首相に渡されたと聞いてます。曽我さん自身が今回、このように直接おいでになって、総理と面会される必要があるな、というふうにお思いになったのはどのようなことでしょうか?
もう45年という本当に半世紀近い時間がただただ過ぎてしまっているように感じています。そのことを踏まえましてもそうですが、横田滋さんがお亡くなりになったり、本当にたくさんの親世代の方がお亡くなりになってしまいました。本当にそのことを思うと、心が痛みます。なので、私が普段できること、署名活動であったり、講演活動であったり、それだけでは、まだまだ足りないような気がして、何とか岸田総理にお願いをしたい。一日も早い解決のためにお願いをしたいと思って、今日こちらに来させていただきました。
──総理には手紙とかそういうのも書かれた?
手紙は書いてないですけども要望書の方をお渡しいたしました。
──安倍元総理が亡くなってからまもなく一周忌になりますが、思いは?
1年と思うと、長いような短いようなという思いもありますけども、本当に安倍元総理には帰国当初から色んなことで、大変力になっていただきました。安倍元総理がずっと願っていた拉致被害者を全員帰国させるという願いが、一日も早く実現できたら、きっと喜んでくださると思ってます。