G20サミット「首脳宣言」突然の発表 ロシアへの名指し非難避ける
インドで開かれているG20=主要20か国・地域の首脳会議は、2日目を迎えました。初日の9日のうちに首脳宣言が採択されるなど、異例の展開となっています。現地から中継です。
ウクライナ侵攻の表現をめぐり、とりまとめの難航が予想された首脳宣言が、すでに採択され、こちらでは「事実上、終わった」との雰囲気も漂っています。
首脳宣言は日本時間の9日夜、議長国インドのモディ首相が突然、発表しました。ウクライナ侵攻をめぐり、「すべての国は領土獲得のための威嚇や武力の行使を控えなければならない」として、ロシアへの名指しの非難を避ける形で、採択にこぎつけました。
日本政府関係者は「インドが指導力を見せつけた」「G20でまとめるには、みんなが妥協するしかない」と話しています。
関係者によりますと、インドが首脳宣言案を各国の事務方に提示したのは開幕ギリギリで「異論があれば、モディ首相に直接、言ってほしい」などと伝えてきたということです。
採択を優先し、強引とも言える形で、とりまとめられ、欧米や日本などと、中国・ロシアの対立によって、主要国の調整が難しい現実が改めて浮き彫りになりました。
10日の2日目は、途上国の債務の問題などが話し合われ、日本時間の10日夕方には閉幕します。岸田首相はその後、日本時間の10日午後6時から記者会見を行う予定です。