政治刷新本部始動 政治とカネ…派閥どうする?自民党の“本気度”
総理大臣経験者らもメンバーとなった自民党の「政治刷新本部」。11日、初会合が行われました。派閥のあり方についての議論は…そして自民党の“本気度”は…
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「主な顔ぶれを見ると、最高顧問に首相経験者の麻生副総裁と菅前首相。麻生副総裁は派閥の会長、菅前首相は無派閥と、立場はまったく違います。そして今回の事件のきっかけとなった安倍派からは、無派閥と並んで最多の10人となっています」
有働由美子キャスター
「議論尽くしてほしいですけど岸田首相、最終的にまとめられるんですかね」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「岸田首相は周辺に、『まずはケンカするのを見てもらうことが大事』『大いに議論して最後は自分が決める』と本気度を示しています。岸田首相、この問題が明らかになるまで、総理総裁でありながら、派閥の会長を務めていましたよね」
「また、岸田首相は麻生派・茂木派・そして足下の岸田派、この3つの派閥のいわば神輿にのる形で政権運営を行っている状況ですから、派閥について根本的に見直す議論が出来るのか。党内からは早速、派閥の解消ではなく派閥の持つ3つの役割のうち、政策研究と議員の育成だけ残して、人事とカネについては新たなルールを作ればいい、といった声も聞かれます」
「ある自民党幹部からはこんな言葉も出てきたんです。『派閥の解消なんて無理。刷新本部の中間とりまとめは実質的には出来ている。既定路線で進んでいく』と」。
有働由美子キャスター
「落としどころありき?ここまで本気度感じられなくて大丈夫なんですか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「私はリクルート事件という汚職事件に端を発した、30年前の自民党の政治改革も取材しましたが、あの時と比べて改革に向けた熱意が全く感じられません。30年前の自民党議員で改革に関わった北川正恭(きたがわ・まさやす)元三重県知事は、『あの頃は上を倒すか倒さないか、なんていう話にもなった。このときのために政治家になったんじゃないかという、我を忘れるほどの狂気が今こそ必要。政治不信がこのまま極まったら、現代の政治家の大汚点になる』と指摘しています」
有働由美子キャスター
「廣瀬さんは?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「メンバー構成を見ても、最初から有識者を入れないというのも、中途半端でメッセージが伝わりにくい。岸田首相、最後はご自身で決められるというのは結構ですが、プロセスを明らかにするのと、我々国民もきちんと意思表示をしていかないといけないですね」
有働由美子キャスター
「今回の会合、誰のための刷新なのか。それが党内事情じゃなくて、本当に国民のためというのなら内容をフルオープンにするくらいの覚悟がないと、政治不信はむしろさらに深まると思います。本当なら震災の対応に集中してほしいこの時期にやらざるを得ない刷新本部です。国民が納得する議論を経て実のあるものでなければ意味がないと思います」
(1月10日放送『news zero』より)