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“統一教会”関連団体が自民議員に「推薦確認書」 LGBT、同性婚、憲法改正……政策への影響は? 疑問続々

2022年10月21日 10:37
“統一教会”関連団体が自民議員に「推薦確認書」 LGBT、同性婚、憲法改正……政策への影響は? 疑問続々

いわゆる統一教会の関連団体が、一部の自民党議員に「推薦確認書」への署名を求めていました。教団は「あくまで関連団体がやった」と強調しますが、教団が関連団体を通じて政策を反映させようとしたり、自民党の政策が影響を受けたりといった疑問はぬぐえません。

■「推薦確認書」で求めた政策は?

いわゆる“統一教会”が20日会見しました。新たに浮上した疑惑についての質問が上がりました。

――教団の関連団体が政治家に対して、直近の選挙で「推薦確認書」への署名を求めていた(と指摘されている)。

教会改革推進本部・勅使河原秀行本部長
「私はそういう説明をするようなことを聞いたことがあります」

――実際にそういうこと(推薦確認書への署名)を?

勅使河原本部長
「多分、そうだろうと思います」

教団の関連団体が、一部の自民党議員に「推薦確認書」への署名を求めていたことが判明しました。憲法改正や「日韓トンネル」の実現、LGBT問題や同性婚の合法化への慎重な対応について賛同を求める内容だったということです。

勅使河原本部長は「同じ考えが一致する先生に対して『応援しますよ』と。これは政界工作じゃないでしょと」。こう話す一方、「誤解のないように。やっていたのは(教団関連団体の)UPF(=天宙平和連合)、ないしは世界平和連合だと思います」と明らかにしました。

関与していたのは教団ではなく、あくまで関連団体であると強調しました。

■サインした議員「政策の方向性一致」

去年の衆院選の際に「推薦確認書」に署名したことを認めた、自民党の斎藤洋明議員に話を聞きました。

「政策の方向性としておおむね合致しているという判断のもとに、サインをさせていただいた。書面で確認したという意味でとれば、政策協定ということになると思います。大変、不適切な行動であったと思っています」

20日の国会では、日本維新の会の音喜多政調会長が「選挙前に、この推薦協定を結んでいたということですが、自民党内の点検によって総理は把握されていたのかどうか」と質問しました。

岸田首相
「自民党の議員のこれまでの当該団体との接点につきまして、政党としてしっかり整理をし、そして実態を把握する」

党として調査する考えを示した上で、「それぞれの議員が説明責任を果たしていくことが重要だ」と述べました。

■推薦確認書は「交換条件の確認」の類

有働由美子キャスター
「そもそも『推薦確認書』を交わすことは問題なのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「今回、取材で確認できたものは、『憲法を改正する』『LGBT問題を慎重に扱う』といった項目が挙げられていて、候補者が“同意した”という趣旨のサインをしたものでした」

「一般に、団体などが選挙で政党や候補者を応援する際に、自分たちが望ましいと考える政策や理念と一致するかどうか、こうした文書を交わして確認するのはよくあることです」

「つまり、『応援するからには、こういう政策を実現してくださいね』という、交換条件を確認するようなものです」

■専門家「候補者とすり合わせか」

有働キャスター
「そうすると、それ自体はいけないことではないのですね」

小栗委員
「その通りです。ただ、いわゆる“統一教会”の勅使河原本部長は20日、『関連団体である世界平和連合は、組織的に選挙応援をしているのではないか』『推薦確認書への署名を求めているという説明を聞いたことがある』と話していました」

有働キャスター
「教団本体はしていないけれど、関連団体がしていたことは知っている。だとすると逆に、教団本体が関連団体を通じて候補者や政党に政策を反映させようとするのではないか、と疑問も出てきます」

小栗委員
「まさに、そこがポイントです。東北大学大学院の河村和徳准教授は『関連団体だからといって関係ないとは言えないし、結局、教団側のしてほしいことを関連団体が候補者とすり合わせをしているのではないか』と指摘しています」

■疑問…「見返りはない」説明は本当?

小栗委員
「また、他にも疑問点は出てきています。例えば、これまで教団との接点が明らかになった議員の多くが『選挙活動は手伝ってもらったが、それで見返りを求められたことはない』という趣旨のことを言っていましたが、本当にそうだったのかどうか」

「また、岸田首相は20日も国会で『自民党の政策に影響があったとは思わない』と強調しましたが、これも本当にそうなのか」

有働キャスター
「全く影響がないとは言えない気がしますが…」

小栗委員
「そうですよね。もちろん、たまたま同じ政策を望んでいたのであれば問題はないかもしれませんが、もし教団の存続や利益のためのお願いなどがあったとすれば大きな問題です。岸田首相は『実態把握に務める』と述べています」

■「後から判明」で…廣瀬さんに聞く

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「チームのスポーツで問題があったときも、徹底的に問題を洗い出して対策を立ててリスタートします。今回の一連の問題の中で、トップが号令をかけた中で、現場からいろいろな問題が出てきてしまうのは、組織としてどうなのだろうと思いました」

「ただでさえ不信感がある中で、『またか』と思われてしまうと、ますます信頼を失ってしまうなと思いました」

有働キャスター
「これまで一部の自民党の政治家と教団側がこういう確認をしてきたことを、私たちは全く知らずに投票してきました。ここでオープンになりましたので、どんな影響があったのか、そこまで徹底的に洗い出してつまびらかにする必要があります」

(10月20日『news zero』より)

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