“パワハラ町長” 病気の職員に 「おまえ死んだら香典いくら?」 “現役職員”が被害を明かす
職員へのパワハラが取り沙汰されている、愛知県東郷町の町長。被害を訴えている“現役の職員”が、初めてカメラの前で当時の状況を明かしました。
東郷町 井俣憲治町長(12日朝)
「進退のみについては、別に考えていることはないですし」
去年11月、職員主導で行われたアンケートをきっかけに、井俣町長の不適切な発言が次々と明らかになっています。
(職員作成のアンケートより)
「『死ね』、『おまえら殺すぞ』などと言われた」
東郷町は、弁護士らで構成される「第三者委員会」に対して、3月末をめどに結論を求めていましたが、調査は継続中です。井俣町長は現在、職員との接触を避け、仕事を続けています。
“パワハラ被害”を訴える職員Aさん
「もう不安でしかないですよね」
いまだに町長を続けていることに対し、“不安”と話す職員Aさん。井俣町長から日常的にパワハラを受けていたということで、自分を守るため、町長との会話を録音していました。
去年10月、病気で大きな手術を控えていたAさんに、町長が発したのが――
井俣町長
「おまえの家、何宗? 葬式やるって言ったら、何宗?」
職員Aさん
「死ぬこと前提じゃないですか」
井俣町長
「おまえ死んだら、香典いくらぐらい?」
◇
“パワハラ被害”を訴える職員Aさん(今月)
「自分の病気についてまず説明して、大動脈解離という大きな病気だったので、3人に1人が死んでしまうような病気だと(説明しました)」
◇
亡くなることを前提とした会話は、まだ終わらず…。
井俣町長
「(保険金)いくら?」
職員Aさん
「金額は知りません」
井俣町長
「それうちで臨時職員、雇うやん?」
職員Aさん
「はい」
井俣町長
「そのために(保険金)使ってもいいの? 給料は一緒なだけ出るんだろ? おまえの家には実害ないやん。給料まるっと出たら」
職員Aさん
「精神的な害が出るんじゃないですかね」
井俣町長
「うちの金銭的な害は、おまえの保険で賄えんってことか」
井俣町長は、「Aさんの保険金で、新たな人を雇えないか」と発言していました。
“パワハラ被害”を訴える職員Aさん(今月)
「恐怖心もありましたね。心の中では、非常に辛かったですね。ひどいこと言われているなと思いながらも、その場を早く切り抜けたいという思いが、すごく強かったので」
こうした井俣町長の不適切な発言は、公的な文書にも記載されていました。
2021年11月、事業に関する町長との打ち合わせ内容が記載された“行政文書”には、「『おまえは、俺の言っとる意味が分かって答えとるんか』と怒鳴りながら、机を2度、強く蹴り上げた」と書かれていました。
去年12月、この文書に対して井俣町長は――
「(相手が)“恐怖を感じた”という記載がありますので、そういった意味では、(パワハラに)該当する可能性が十分にあるというふうに思っています」と、事実は認めたものの、強く蹴った覚えはないと答えていました。
この文書を作成した職員Bさんにも、今月、話を聞くことができました。
“パワハラ被害”を訴える職員Bさん
「『おまえは、おれの言ってる意味がわかって答えとるんか』っていうのを、結構大きな声で言いながら激高したというか、本当に怒ってしまって。その時に、町長室の机を思いっきり蹴った」
この日からBさんは、自身の体調に変化を感じたといいます。
“パワハラ被害”を訴える職員Bさん
「役場に来る時も、駐車場で車から降りる時が、勇気がいる。“行くぞ”と思わないと、降りられない。最後、階段上る時も、深呼吸を何回かしてから、“よし”と思って出勤するというのが、半年ぐらい続きました」
3年前から繰り返されていた、町長の不適切な言動。パワハラを訴える職員がいるなか、12日、町長は自身の進退について…
――町長の進退について、あらためてお伺いしたいが?
東郷町 井俣憲治町長
「進退のみについては、別に考えていることはないですし」
――ハラスメントが認定された場合の、進退については?
東郷町・井俣憲治町長
「個別取材は対応しないって、お願いしているじゃないですか。お越しになられると、また混乱しますので、(第三者委員会の)報告書が出て、議会終わりに…」
第三者委員会の結論が急がれます。