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【中国軍事演習】日本のEEZ内に中国ミサイル  政府関係者「想定の範囲内」

2022年8月6日 2:01
【中国軍事演習】日本のEEZ内に中国ミサイル  政府関係者「想定の範囲内」
中国によるミサイル発射

4日、中国軍による台湾周辺での実弾を用いた大規模軍事演習が始まった。日本のEEZ=排他的経済水域内にミサイル5発が初めて落下、さらに沖縄県・与那国島からわずか80キロの地点にも落下している。中国側がアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に対する報復と位置づける演習。事態がどこまでエスカレートするか、注目が集まっている。

■日本のEEZ5発落下 日本から80キロ地点にも

中国軍は4日、台湾周辺で実施すると公表していた軍事演習を開始した。同日夜、日本の防衛省は9発の弾道ミサイルが発射され、この内の5発が日本のEEZ=排他的経済水域内に落下したと推定されると発表した。

防衛省によると、中国軍は4日午後2時56分から午後4時8分にかけ、9発の弾道ミサイルを相次いで発射した。中国内陸部、浙江省沿岸、福建省沿岸の計3か所から発射。福建省からの4発と浙江省からの1発の計5発が、与那国島南方の日本のEEZ内に落下した(図の⑤~⑨)。日本のEEZ内に中国のミサイルが落下するのは初めてだ。

発射されたもののうち最も日本に近いものは、与那国島からわずか80キロの場所に落下した(図の①)。日本最西端の与那国島は、台湾から約110キロに位置し、天気の良い日は台湾の姿を見ることもできる距離にある。

岸防衛大臣は「非常に威圧的な訓練」だと指摘した上で、「我が国の安全保障および国民の安全に関わる重大な問題だ」と述べ強く非難した。

ある首相官邸関係者は「中国は日本のEEZを含んだ場所を訓練区域に設定していたので、その区域内であればEEZ内に撃ってくることは想定の範囲内ではあった」と話した。また、防衛省幹部は「これくらいやらないと中国国内の世論が持たない」と述べ、国内を意識した側面が大きいと指摘した。

■演習区域 範囲拡大

今回、中国軍が設置した演習区域は、台湾を取り囲むように6か所にわたっており、台湾の国防部は「台湾を封鎖するのも同然だ」と反発している。

1995年から1996年の第3次台湾海峡危機の際にも、中国軍は台湾周辺に演習区域を設置、ミサイル発射などを実施した。この際に中国軍が設定した区域は中国大陸側が中心だったが、今回の区域は台湾を取り囲むように設定されていて台湾との距離も一層近い。

与那国島も南北を挟まれる形となっていて、設定区域までの距離は約60キロとなっている。演習区域の一部には日本のEEZも含まれるほか、演習区域の範囲はこれまでにない規模で、日本の首相官邸関係者は「中国が取り得る最大の措置をとっている」と話す。

演習は7日まで続けられる予定。