親族10人以上が集まり…首相公邸で“忘年会”写真 岸田首相が長男の翔太郎氏を厳しく注意
岸田首相の長男で秘書官の翔太郎氏について、首相公邸で忘年会をしていたとして撮影された写真が報道された問題で、松野官房長官は25日、事実関係を認めた上で、適切ではなかったとの認識を示しました。また、岸田首相が翔太郎氏を注意したことを明かした上で、処分や更迭はしない考えを示しました。
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文春オンラインに掲載されたのは、赤じゅうたんが敷かれた階段に並んで立つ男女の写真。そのうちの1人は、岸田首相の長男で秘書官の翔太郎氏です。ここは、去年8月、内閣改造の際に岸田首相と閣僚たちが記念撮影した場所でもあります。そこで翔太郎氏は、首相の位置であるセンターに立ち、笑みを浮かべています。
しかし、別の写真ではコップを片手にわが物顔で寝そべっている男性が写っていました。この男性は岸田首相の甥と報じられています。
これらの写真が撮られたのは首相公邸です。岸田首相と秘書官である翔太郎氏が、ここで暮らしています。官邸事務所によると、万全な警備態勢に加え重要な人物を招くこともあり、執務機能も備えていて、年間の維持費は約1億6000万円にのぼるといいます。
この首相公邸で去年12月30日、岸田家の親族10人以上が集まり、忘年会をしていたと週刊文春に報じられたのです。誌面には、テーブルいっぱいに置かれた食事やビール缶とみられる写真や、日本政府の紋章がついた演説台でポーズを決める写真と、大はしゃぎの様子が写っていました。
報道を受け、25日に松野官房長官は「今回の報道にあるような行為は適切さを欠くものであると認識しています。今後このようなことがないよう、適切な使用・管理を徹底してまいりたい」と事実関係を認めた上で、適切ではなかったとの認識を示しました。
翔太郎氏については――
松野官房長官
「岸田秘書官に対しては総理から厳しく注意されたと聞いており、一層の緊張感を持って、職務に当たっていくものと承知しております」
親である岸田首相が翔太郎氏を注意したことを明かした上で、処分や更迭はしない考えを示しました。
翔太郎氏は今年1月にも、岸田首相の欧米訪問に同行した際に、公用車で観光していたなどと報じられました。このとき政府は、岸田首相の土産物の購入などを行っただけで、不適切な行動はなかったと強調していました。しかし、再び報じられた今回の行動に野党からは…。
立憲民主党・蓮舫議員
「総理の秘書官が親族にそれを許して忘年会を行う。お酒が入っていたかどうかわかりませんけれども、私、これはやりすぎではないんだろうかと」
立憲民主党・山井国対委員長代理
「(首相公邸は)思い出作りの場所ではありません。危機管理の場所です。公私混同も甚だしい」
日本維新の会・馬場代表
「常識の範囲を逸脱しているんであれば、やはり身内だからこそ厳しい処分をすべきだと思いますけれども、写真を撮ったぐらいでは許容してあげてもいいんじゃないかなと」
翔太郎氏と同じ総理秘書官の経験者からは、次のような厳しい指摘がありました。
首相秘書官経験者
「公邸の使い方は総理次第ですが、秘書官は本来、総理が公邸を私物化しないよう管理しなければいけません。その秘書官がこれではお話になりません」
野党は今後、国会でこの問題を追及していく構えです。