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少子化対策「たたき台」決定 過去10年間に議論も実現は…求められる“異次元の実行力”

2023年3月31日 18:43
少子化対策「たたき台」決定 過去10年間に議論も実現は…求められる“異次元の実行力”
岸田内閣が掲げる「異次元の少子化対策」の実現に向け政府は31日、「たたき台」を正式決定しました。このような“少子化対策”はこの10年間、議論され続けてきました。少子化対策をめぐるこれまでの議論や今後の課題について、日本テレビ報道局の庭野めぐみ解説委員と共にお伝えします。

■「たたき台」 過去10年間の議論にも似たような内容が…

日本テレビ報道局 庭野めぐみ解説委員
「3月31日、発表された『たたき台』には、『複数の子どもがいる場合に児童手当を見直す』『出産費用の保険適用も検討』『給食費・医療費の負担軽減』といった内容も盛り込まれています」

藤井貴彦アナウンサー
「こうした内容が盛り込まれているのは『たたき台』ということですが、どういうことですか?」

庭野解説委員
「『たたき台』、つまり正式に決定したものではなく、実現に向けてこれから議論していきましょうというものです。実は、こうした“少子化対策”と銘打った政府の議論はずっと続いています。この10年だけでも、2014年には『少子化危機突破タスクフォース』という会議で『複数の子どもがいる世帯の負担軽減』が盛り込まれ、2016年の『結婚の希望を叶える環境整備』では男性の育休の推進が、2018年の『少子化克服戦略会議』では出産費用の負担軽減が議論されていました。“あれ、今回の岸田政権が掲げる『異次元の少子化対策』の政策かな”と思うような内容がすでに発表されていました」

■一番の問題は予算… 過去には“必要”な分がつけられず

藤井アナウンサー
「2014年ということですから、10年ほど前から提言されていたのに実現されなかった、十分に実現されなかったのは、なぜなのでしょうか?」

庭野解説委員
「一番の大きな問題は、政府がつける予算なんです。すごく大きな問題だったのですが、例えば、政府が2014年に消費税を8%に引き上げるなどの場合に、増える財源の一部を『子ども・子育て支援』に使いましょうと約束したことがありました。このタイミングでも、専門家らが議論し、いろいろな少子化対策が打ち出されて、実現には“約1兆円が必要”となりました。しかし、政府は実際には7000億円しか予算をつけず、いろいろな課題があったのですが、一部の課題解決は実現しないまま今に至ります。その結果、出生数はどんどん下がり、2022年には過去最少となる80万人を下回りました」

藤井アナウンサー
「今回も、いろいろ政策があがっていますが、財源はどうするのでしょうか?」

庭野解説委員
「31日のたたき台では、実現のために必要な予算額や、どうやって財源を確保するのかは明らかにされていません。増税なのか、子どもたちに借金を残す形の国債なのか、いずれにしても私たちの負担増になりそうです。そのあたりを国民に丁寧に説明する必要があります。出産する若い女性の数も今後、急速に減るために少子化対策を打つ“タイムリミットはあと2年”という専門家もいます。政府は今後、3年間で集中して取り組むとしていますが、“異次元の実行力”が求められています」