岸田内閣“辞任ドミノ”1か月で3人…自民党幹部は秋葉復興相への波及を懸念
岸田内閣は、世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”、「死刑のハンコ」発言、そして“政治とカネ”の問題で、1か月で3人の閣僚が辞任しました。さらに、自民党幹部からは、“政治とカネの問題”が指摘されている秋葉復興相に“辞任ドミノ”が波及することを懸念する声が聞かれました。
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閣僚が立て続けに辞任した“動揺”の表れなのか…岸田首相は21日午前に首相官邸で行った会見で、「昨日辞任したタケダ大臣の…あ、失礼」と間違えただけでなく、午後の衆議院本会議でも「先日タケダ…あ、失礼、先日寺田大臣から…」と、午前も午後も、寺田前総務相の名前を間違えました。
寺田前総務相(20日夜)
「辞表を提出させていただきました」
――職責を全うすると繰り返し述べていましたが
寺田前総務相(20日夜)
「やはり、私のいろいろな問題が支障になる。悪影響の方が勝ってきたように思った(ので決断した)」
20日夜、更迭されました。
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まさに、“辞任ドミノ”。今年8月の第2次岸田改造内閣発足時の記念撮影では、わずか1か月足らずで辞任に追い込まれた、山際経済再生相(※当時 10月24日辞任)、葉梨法相(※当時 11月11日辞任)、寺田総務相(※当時 11月20日辞任)の3人が、くしくも顔を並べていました。
山際前経済再生相(先月)
「非常に申し訳ないんですが、このことそのものは覚えておらず」
――どこかであったと言っていた記憶は?
山際前経済再生相(先月)
「ちょっとおぼつかないです」
立憲民主党 鎌田議員(11日)
「ネット上では、『死刑のハンコ』というワードがトレンド入りしたことが一時期ありました」
葉梨前法相(11日)
「極めて軽率で、私の至らなさだと思います」
“統一教会問題”の山際氏に、“死刑をめぐる失言”の葉梨氏。そして今回は――
立憲民主党 後藤議員
「お亡くなりになっている方の氏名と捺印(なついん)があります。これ、誰が氏名を書いて捺印されたんですか?」
後援会の政治資金収支報告書の会計責任者の部分に死亡していた人物を記載するなど、寺田氏には毎週のように“政治とカネ”の問題が浮上していました。
自民党幹部からは、「金曜日の会見を見て、もう無理かなと思った」との声も聞こえていました。
その会見では――
――これまでの答弁で国民の納得は得られたか?
寺田前総務相(18日)
「私が接する国民というのは、ほとんど地元の方々ですね。(選挙区のみなさんから)非常に激励をいただき、『よく、ああやって正直に説明して、感心しました』という声しか私は聞いておりません」
「『正直な説明に感心した』という声しか聞いていない」と話す、その地元からは――
地元住民
「(辞任は)まあ仕方ないわね、そりゃ」
地元住民
「事情が事情というか、金銭のことですからね」
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一方、総務省の玄関ホールで、声が聞こえないほどの拍手で迎えられたのは、民主党政権で外務大臣を務め、その後、自民党に移った松本剛明氏です。寺田氏の“後任”として、21日夜、初登庁しました。
岸田首相
「私自身、任命責任を重く受け止めております」
寺田氏の“更迭騒動”は、参議院本会議が22日に延期になるなど、早速、影響が出ています。
21日、野党からは――
立憲民主党 安住国対委員長
「私は遅きに失したと思っています。寺田大臣が居続けるおかげで、国政が停滞したといわざるをえない」
さらに、自民党幹部からは、同じく“政治とカネの問題”が指摘されている秋葉復興相に、辞任ドミノが波及することを懸念する声もあがっています。
(11月21日放送『news zero』より)