年内の衆議院選挙見送る方針固め初の週末 与野党立候補者から“常在戦場”の声 福岡
岸田首相が年内の衆議院の解散総選挙を見送る方針を固めて、初めての週末を迎えました。野党の政権批判が強まる中、福岡では与野党の立候補予定者が“常在戦場”と口をそろえ、支持拡大を急いでいます。
■立憲民主党・泉健太 代表
「福岡でも九州でも、やっぱりいま本気で自民党と戦って、かつ自民党以外で政権をつくることができる政党、それが立憲民主党じゃないですか、みなさん。」
11月11日、福岡市博多区のJR博多駅前で支持を訴えたのは、立憲民主党の泉健太代表です。野党第1党として、岸田政権への批判の声を強めました。
年内の衆議院解散も取り沙汰されていましたが、岸田首相は11月9日、年内の解散総選挙を見送る方針を固めました。
■岸田首相
「経済対策先送りできない課題一つ一つに、一意専心取り組んでまいります。それ以外のことは考えておりません。」
内閣支持率の低迷や、所得減税への評価が低いことなどを踏まえ、経済対策を最優先する判断に至ったものとみられます。
解散カードが見え隠れする状況にやきもきしているのが福岡5区の現職で、立憲民主党の堤かなめ衆議院議員です。
■立憲民主党・堤かなめ 衆議院議員
「『解散、解散』ってずっと言われてきて、落ち着いて仕事ができない。」
筑紫野市や春日市などを選挙区とする福岡5区で、堤さんは前回の衆院選で自民党の現職を破り、初当選を果たした1期目の議員です。
■街頭演説の様子
「堤、頑張れ~!」
「福岡5区選出、衆議院議員の堤かなめです。」
国会議員になってまだ2年です。それでも、自民党のやり方には憤りを感じています。
■堤 衆議院議員
「選挙目当ての政策を何度も何度も出されるということ、それが政治をゆがめてしまっている。」
同じく自民党を批判するのは、日本維新の会から出馬を予定する松尾嘉三さんです。
■日本維新の会・松尾嘉三 氏
「(岸田政権に対し)思うところだらけでございます。本当に市民目線・国民目線っていうものを見ていらっしゃらない。」
松尾さんは、元自民党の県議会議員です。しかし、党のやり方に疑問を感じ、ことし4月の県議会議員選挙で落選したことを機に、日本維新の会に入党しました。
■松尾氏
「(きょうはここで)3か所目になります。(Q. 半袖ですが)私、実は暑がりで、今月いっぱいは半袖でいいんじゃないかなと思ってます。」
自民党を離れて活動する中で、いまの政治は国民の思いから離れていると痛感しています。
■松尾氏
「本当に国民の思いと政治関係者たちの思いが離れていけば離れていくほど、いまの支持率に反映しているんじゃないかと。ずっと“常在戦場”というカタチで、いつ解散してもおかしくない状態で、日々活動はさせていただいています。」
支持率の低下で政権への逆風が吹く中、“常在戦場”との声は自民党からも聞かれました。
県議会議長を務めた栗原渉さんはおととし、衆院選に向けて県議会議員を辞職し、福岡5区から立候補を目指しました。
しかし、保守分裂の中で自民党からの公認を得られず、直前に出馬を断念しています。
■自民党・栗原渉 氏
「一緒に前回の衆議院選挙を戦っていただいた人たくさんいらっしゃいます。その人にもいろんな思いをさせました。そのことを忘れずに、次の衆議院選挙に全てをぶつけたいと思います。“常在戦場”で頑張るしかないという思いです。」
初めての衆院選に向け、大事にしているのは現場の声だといいます。年内の解散は見送られたものの、議席奪還に向け、準備を進めています。
■栗原氏
「自民党としては、失われた衆議院の議席ですので、それをみなさんと一緒になって取り返す。できることは全部やるという気持ちで臨んでいきたいと思います。」
次期衆院選の立候補予定者は、“解散風”に翻弄されながらも動きを活発化させています。