衆院選富山2区の候補者の主張 キーワードで分析
上野キャスター)エブリィでは、衆議院選挙で県内選挙区の立候補者の主張を、キーワードから分析しています。2回目は富山2区です。
岡川記者)各候補の第一声を「テキストマイニング」という手法で分析しました。候補が繰り返して使った言葉を人工知能=AIで分析すると、特徴的な単語が大きく表示されます。
上)きょうは、富山市の旧町村部と新川地域が選挙区の富山2区に立候補した3人の第一声を振り返ります。まずは日本共産党・新人、泉野和之さんの第一声です。中央に大きく「パーティー券」、さらに下には「裏金」の文字が見えます。
岡)泉野さんは自民党派閥による裏金事件が最大の争点だとして、問題の追及や政治の転換を掲げています。
上)「食糧自給率」や「農業」といった文字も大きいですね。
岡)自身が農業に携わっていることから、農業政策についても訴えています。今年、全国的にコメ不足が起きたことを挙げ、価格保証や所得補償など農家が安心して生産できる政策を掲げました。農村地域が多い2区で共感を広げる狙いがあります。また、防衛費を5年間で総額43兆円にまで増やす政府の決定を批判し、憲法と平和を守るという姿勢を強調しています。
上)続いて立憲民主党・新人、越川康晴さんの第一声です。「購買力」「上昇気流」そして「税収」という言葉が大きく表示されています。
岡)越川さんは、まず、物価高に負けない賃上げの継続を訴えています。県内の最低賃金が今年50円アップしたことを挙げ、「上昇気流」を継続させることで国民の購買力も上がる、さらに社会保障や国のお金の流れを見直せば、税収も増えると強調しています。また、政治の信頼を取り戻すため政策活動費のルールの厳格化、忖度のない政治の実現を訴えています。2度目の挑戦となる今回、陣営は地元魚津市だけでなく、大票田の富山市婦中地域にも新たに党組織を構えました。自民党派閥の裏金事件を追及して支持を広げ、前回選挙で獲得した4万票を大きく上回る7万票を目指します。
上)続いて、自由民主党・前職、上田英俊さんの第一声です。「ザ・ネクスト・ワン」という言葉が一際大きいですね。これはどんな意味なんでしょうか。
岡)上田さんは第一声の中で「あなたの最高の仕事は何か」とある人が聞かれた時、その人が「ザ・ネクスト・ワン、次の仕事です」と答えた、という話をしました。1期目の仕事に満足することなく、次の仕事、つまり2期目でよりよい未来をつくるために頑張りたいと訴えました。具体的には、防災・国土強じん化の推進や、子どもを産み育てやすい環境整備などを訴えています。今回の選挙では、幅広く支持を集めるため、選挙区内のすべての市と町で後援組織を生かした活動を行う方針です。陣営は、党への逆風は厳しいものがあるとしたうえで、前回の選挙でのおよそ9万票を超える得票を目指しています。
岡)キーワードで見えてくる各候補者の主張を、1票を投じる参考にしてもらえればと思います。
上)あすは富山3区の立候補者の主張を分析します。