山形県知事選挙まで半年 自民党県連の擁立作業は難航 現職はまだ対応明らかにせず
任期満了に伴う山形県知事選挙まであと半年余りに迫っています。現職の吉村知事が対応を明らかにしない状況が続く一方で、対抗馬の擁立を目指している自民党県連は擁立作業が難航しています。
7日、山形市内で開かれた自民党県連大会。
自民党県連遠藤利明会長「選挙の年になる。私たちの衆議院選挙、いつあるかわかりません。そして知事選、また参議院選挙がある。なお一層のお力添えをいただきますようあらためてお願い申し上げまして、会長としてのあいさつとさせていただきます」
来賓の吉村知事を前に半年余りに迫る次期知事選にも触れた遠藤利明県連会長。
一方、吉村知事はあいさつの中で、山形新幹線の福島県境での新たなトンネル整備などについて、遠藤会長をはじめとした自民党の県選出衆議院議員に協力を呼びかけました。
吉村知事「新しいトンネルが実現することを全力で進めてまいりたいと思っているところでございます。遠藤先生、この場をお借りして、どうかどうか引き続きよろしくお願いいたします」
来年2月の任期満了まで7か月ほどとなった吉村知事。
吉村知事(現時点での知事選出馬の意向は?)「あ、ちょっと、いま、このようなところではちょっと、申し訳ございません」(態度はいつごろ明らかに?)「ちょっと、まだ・・・、すみません」
5期目を目指して次の知事選に出馬するかどうかについて、態度を明らかにしない状況が続いています。
吉村知事(ことし1月)「課題山積の状況ですので、しっかり全力で取り組んでいきたい。その先に5期目がどういうふうになるのかと思っているので、現時点では目の前の課題にしっかり取り組んでいく」
一方で、支援者を中心に5期目に期待する声が上がっていて、関係者によりますと、支援者らが吉村知事の出馬に向け支援体制構築を検討する動きも出てきているということです。
吉村知事(ことし1月)「『もう1期やってくれ』という声はいろいろな所に行くたびにお聞きします。大変ありがたく受け止めさせていただき、私のエネルギーにさせていただいている」(出馬に前向きということ?)「いや、何とも言えないです」
一方、自民党県連は、前回、2021年の知事選で対抗馬を擁立しましたが、大敗しました。その後、次期知事選に向け候補者擁立を目指していますが、現在も擁立に至っていません。
7日の県連大会では、吉村知事の退席後、出席者から知事選への対応について、執行部の考えを問う声が上がりました。
出席者「来年の1月、知事選挙もあります。この知事選に対して何ら具体的なことが書いていない。知事選挙についてどう考えておられるのか」
自民党県連遠藤利明会長「残念ながら、まだこの段階で立候補する、立候補したいという意思を表明する人が出てきておりません。引き続き鋭意努力したいと思っております」
その後の記者会見で遠藤会長は知事選の候補者選びの現状について「難航している」と明かしました。
自民党県連遠藤利明会長「確かに候補者選びは難航している。何とかして、私だけではなく、国会議員、県連執行部の皆さんも含めて擁立に向けて一緒になって進めていこうという状況です」
擁立作業の「難航」の背景には、吉村知事への支持の厚さに加え裏金問題などによる自民党への「逆風」の影響があるといいます。
自民党県連遠藤利明会長「知事の支援組織、支援の皆さんが大変強いという話もあって簡単に『私やります』という方がなかなか出てこない。自民党の裏金事件の影響などもあり、いま自民党で擁立ということに対して抵抗があるという方もいらっしゃいますし、若干慎重さが必要だと思っている」
遠藤会長は候補者の擁立に向け、現在も検討中の人は「いる」としましたが、擁立の時期については、「できるだけ早く」と述べるにとどめました。
一方、6月の県議会6月定例会では、自民党の議員が「長期政権の弊害」について触れ、吉村知事に対し、今後の進退について問いました。吉村知事は、長期政権について「経験を生かした対応ができる」などのメリットを述べましたが、具体的な進退については言及しませんでした。
県政のトップを決める政治決戦まで半年余りに迫る中、吉村知事の態度表明はいつになるのか、また、自民党県連の対抗馬擁立作業の行方はどうなるのか、両者の今後の対応が注目されます。