処理水を海洋放出するための設備、検査終了 問題確認されず 原子力規制委
東京電力福島第一原発にたまる処理水を薄め、海洋放出するための設備などについて、原子力規制委員会は5日、最終的な検査の結果、問題は確認されなかったと報告しました。今月7日には東電に対して検査の終了証を交付することも決めました。
福島第一原発に設置された処理水海洋放出のためのさまざまな設備のうち、トリチウムなど処理水中の放射性物質を測定する設備については規制委員会はすでに今年3月に検査を終了、東電に対して検査終了証を交付しています。
5日の規制委員会では、これ以外の残る施設である処理水を海水で希釈したり移送したりするための設備などについても先月30日にかけて検査し、その結果、問題が確認されなかったことが報告されました。
これで福島第一原発からの処理水海洋放出に関わる全ての設備について規制委員会による検査が終了したことになります。今月7日に東電に対して検査の終了証を交付することも決まりました。
処理水の海洋放出についてはIAEA=国際原子力機関も4日、「国際的な安全基準に合致している」「人と環境に対し無視できるほどの放射線影響」などとする報告書を公表していて、政府はこれら国内外の検査結果をふまえ、夏ごろとしている放出開始時期を最終判断する方針です。