首都直下地震で「食料」「トイレ」「インフラ」は?……時系列の“被害想定”初公表 1週間後「買いだめ」、1か月後「略奪」も
東京都による「首都直下地震」の被害想定が10年ぶりに見直され、初めて時系列でのシナリオが公表されました。食料や物資、トイレ、インフラなどさまざまな面での影響が想定されています。被害をイメージし、一人ひとりに合った対策や備蓄が求められます。
■夏場なら…給水所で「熱中症」も
有働由美子キャスター
「(東京都による首都直下地震の)被害想定の見直しで、より具体的にイメージしてもらおうと、初めて時系列に沿った想定も公表されました」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「時系列に沿って、食料や水、物資面でどんなことが起きる可能性があるかを見ていきます」
「まず、地震発生直後から1日後。スーパーやコンビニで食べ物や飲み物が売り切れます。避難所の食料なども、多くの人が受け取りに来るのですぐに足りなくなります。給水所には多くの人が殺到し、夏場で炎天下の場合、待つ人が熱中症になります」
有働キャスター
「確かにそうですね。そこまで想像できませんでしたが、あり得ますね」
小栗委員
「発生から1週間がたつと、余震への不安などから買いだめが発生し、慢性的な品不足が継続する可能性があります。避難所では、例えばアレルギー対応や嗜好品など、避難者のニーズが多様化して、行政が対応しきれなくなります」
「さらに1か月後には、物資不足が長期化した場合、略奪や窃盗など治安の悪化を招く可能性もあるとしています」
■辻さん「分かりやすい」…備えは?
有働キャスター
「かなり具体的に書かれています。こうした時系列での想定が初めて公表されましたが、いかがですか?」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「時系列で追えると、リアルにかつ解像度高く、その日ごとに起こる問題が想像できますし、『なんとなく防災』というイメージではなく、具体的に何を何日分用意しないといけないのか、とても分かりやすいと思います」
「(私は)心配性なので、会社にも自宅にもいろいろ防災グッズを用意していますが、最近だと太陽光で蓄電できるポータブル電源や、停電しても水が出るウォーターサーバーに交換したりしました」
有働由美子キャスター
「素晴らしい!」
■衛生環境の悪化で「感染症」も
小栗委員
「他には交通や電力、通信など、さまざまな想定が時系列に沿ってされていますが、トイレについてもあります」
「発生直後から1日後には停電や断水などで、公共施設やコンビニなどでもトイレが使えなくなります。さらに、くみ取り式の仮設トイレも、バキュームカーの不足などのため使えないケースも出てきます」
有働キャスター
「これは本当に困りますからね」
小栗委員
「そして3日後以降は、非常用電源の燃料が確保できなくなった場合、それで動いていた水洗トイレも使用できなくなります。衛生環境が悪化した場合には、新型コロナウイルスやノロウイルスといった感染症もまん延する可能性があるということです」
有働キャスター
「(首都直下地震は)そのうち来るかも、ではなくすぐ来てもおかしくありません。家族で持病がある方、トイレが近い方がいれば準備が全く違ってきますし、やっていないと絶対に後悔します。『首都直下地震 被害想定』で検索し、一度必ずイメージしてください」
(5月25日『news zero』より)