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懐かしの名盤に青春の一曲も…歴史ある東京・下町のCD店が閉店へ

2024年11月12日 20:23
懐かしの名盤に青春の一曲も…歴史ある東京・下町のCD店が閉店へ

東京の下町で長年営業を続けてきたCDショップが惜しまれながら閉店することになりました。

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1918年創業、“東京の下町”江東区森下にある「マエダ楽器店」。関東大震災や第二次世界大戦で二度、店が燃える災難にあいながらも100年あまりの間、家族で店を守り続けてきました。

この店が長きにわたって愛されてきたワケが…

マエダ楽器店 前田道子さん
「何万枚あるんだろう。クラシックから落語に邦楽、日本の琴・三味線とか相撲甚句とか」

CD以外にもレコードやカセットテープまで豊富な品ぞろえ。それと…

愛知から20年通う人(60代)
「吉田拓郎ってどの辺」

マエダ楽器店 前田道子さん
「拓郎ここだよ」

愛知から20年通う人(60代)
「あれぐらいすごいのはもうない」

マエダ楽器店 前田道子さん
「あのボックスが最高だと思う」

──何でも知っているんですね

マエダ楽器店 前田道子さん
「これは2002年発売」

愛知から20年通う人(60代)
「まさに掘り出し物」

インターネットがなかった時代。音楽ファンにとっては、この店は“駆け込み寺”のような存在だったといいます。

もともとは楽器店のこのお店。2階にはスタジオも併設していて…

マエダ楽器店 前田道子さん
「いろんな方が利用されてました。有名な方で吉幾三さん。ここで歌詞を書いてコピーしに行ったりとか」

──ここで生まれた曲は?

マエダ楽器店 前田道子さん
「どうでしょう、『雪國』あたりかな。『好きよあなた 今でも今でも』」

しかし、商品の仕入れをしていた夫で3代目の社長が病気で療養することに。“CD離れ”も進む中、今月末をもって店を閉じることを決めたのです。(13日の営業は午後3時まで)

中学時代からこの店に通い続けてきたお客さんは…

中学時代からの常連(60代)
「私たちの世代は荒井(松任谷)由実世代。『ひこうき雲』が新しかった」

この店で買ったレコードが青春の大事な思い出になっていたといいます。

中学時代からの常連(60代)
「新しいの買ったよと家に集まってステレオスピーカーで聴いて、今で言う女子会。ポテトチップをつまみながらみんなで楽しいひととき、それを流す」

愛知から20年間、店に通い続けてきたお客さんもいます。

愛知から20年通う人(60代)
「冬ソナのなんか。誰だっけあの歌手、テーマ曲の」

マエダ楽器店 前田道子さん
「Ryu」

──その当時の恋愛は

愛知から20年通う人(60代)
「結婚してたし、子どももいたし、そういう年でもない」

この店で音楽の話をするのが東京に来るときの楽しみになっていたといいます。

愛知から20年通う人(60代)
「出張で来たら『寄っていい?』って、コーヒーごちそうしてもらって、しゃべって、何でもないけど『じゃあね』って帰る」

マエダ楽器店 前田道子さん
「遠いのに」

愛知から20年通う人(60代)
「店がなくなっちゃうのさみしい」

お客さんとのふれあいを大事に50年もの間、この店を支え続けてきました。

マエダ楽器店 前田道子さん
「面白かった。人と接するのは好きなので楽しかった。お客様の笑顔と『ありがとう』の言葉が残るかな」

最終更新日:2024年11月12日 20:23