在外被爆者の医療費、全額支給確定へ
広島や長崎で被爆した後、海外で暮らす「在外被爆者」が、海外に住んでいることを理由に医療費が支払われないことを訴えていた裁判で、自己負担した医療費について、全額を支給するよう命じた判決が最高裁で確定する見通しとなった。
この裁判は、被爆者が自己負担した医療費を全額支給すると定めた法律が、海外で暮らす「在外被爆者」にも適用されるかが争われたもの。2審の大阪高裁が「在外被爆者も救済されるべきだ」として大阪府に対し、韓国で暮らす韓国籍の被爆者らに医療費の全額を支給するよう命じていた。この裁判で、最高裁は来月8日に判決を言い渡すことを決めた。2審の結論を見直すのに必要な「弁論」が開かれていないため、医療費の全額支給を命じた2審の判決が最高裁で確定する見通し。
在外被爆者は韓国やアメリカを中心に4000人以上に上っており、医療費を巡る同様の裁判にも影響を及ぼすとみられる。